ロスバゲ が減ってる? 添乗員をしていると結構な割合で遭遇する荷物のロスト。でもパンデミック後のツアーではその頻度が減ってるように感じます。
航空業界は2023年に急成長し、乗客数は過去最高の52億人に達し、パンデミック前の水準を上回った。現在は、手荷物の取り扱いに革命を起こし、空港での快適な体験を実現することに重点を置いています。
引用元:SITA(国際航空情報通信機構)より
ここにあるSITAによると、2024年の荷物のミスデリバリーは”the mishandling rate to just 6.9 per thousand passengersin 2024”とありなんと0.69%しか起こっていない計算になります。これはずいぶん改善されている数字だそうです。
私が考えるに改善理由は
- 航空会社におけるバゲージスルーの要件が厳しくなってる
- 格安航空会社との提携は進んでいるが、荷物スルーはできないので預け直しが多い
- ロストが多い欧州方面にウクライナの関係で日本人がそんなに行ってない
の様なものがあると思います。
とはいえ、たった0.69%の確率でも例えば「添乗員1人が1か月ツアー客30人、12か月で360人とご一緒する」と仮定すると年に約2.5人のお客さんがロストする計算になります。
添乗員にとってロスバゲ対応は、よくあることなので勉強しておかなくてはいけません。
乗継地でのクレームタグ登録
他キャリア乗継で荷物をスルーにした場合、「クレームタグは最終目的地までついているけど搭乗券は発行されてない」という事がよくありますよね。(または出してくれたんだけど現地で差し替えが必要)
そんな場合は、乗継地の搭乗券を出してもらうカウンターで必ずクレームタグを見せて登録をしてもらいましょう!
団体の場合、添乗員はよく事前にお客さんのタグを集めておいて現地でまとめて提出します
これをすることによって、もし荷物がどっか行っちゃったときに「●●空港まではあった」とかの情報が得やすくなります。
実は先日の旅行で荷物を一つロストしました。乗継地はCDGだったのでそこでタグを見せて登録してもらっていました。ところが日本に着いたら荷物が来ていない。係員に行くと「その荷物パリを通ってない」との事。これだけでも「じゃ、荷物は出発地にあるね」とか想像がつくというわけです。
この時に同行していた営業マンに聞かれました。
なんでこのご時世にこんなことが起こるの?お土産いっぱい入ってるのに…
荷物の仕分けとかには機械が使われてるけどまだまだ手作業の部分が多いんだよね
(ちなみにこの辺の動画はYouTubeによく出てる)
そもそも出発の飛行機に載せ忘れたのかもしれないし…
ま、荷物が届かなかったときのその気持ちをよく覚えておきましょうね
実はこの時、私の荷物はチェックインしてそのまま預けだったんだけど、営業マンの荷物はチェックイン後1度引き取って免税手続きのために税関いってから預け直しをしたんだよね。
だからそれによって時間が遅くなってしまったのかもしれないし、違うルートでどっか行っちゃったのかもしれないし…
幸いにも3日後くらいに無事荷物が見つかったとの知らせが入りました。
ロストしないために
乗継地で再チェックインとなっても「ロストしなくて済む」と前向きに捉えましょう
古いクレームタグを後生大事につけている人がいますが、すぐ取りましょう。間違いのもとです。
それでもロストしてしまった場合は、↓↓
くり返し言いますが、荷物に貴重品を入れてはいけません。貴重品は補償対象外です。
また割れ物にも注意です。定期的に運搬スタッフが荷物をぶん投げているVideoが拡散されています。
(最近ではDELTAがゴルフチームのゴルフクラブバッグをぶん投げている所をビデオで拡散され謝罪しています)
別冊航空券で荷物をスルーにできるのか?
(アメリカや日本などの最初の寄港地で入国と税関を済ませる場合を除く)
これは難しい。時と場合による。航空券の種類による。乗継の航空会社による。
結局その度に確認しないと分からない。
個人ではOKしてくれても団体だとNGと言われることもある。(手続きに時間がかかるから)
(2)適用法令等又は会社規則に別段の定めのある場合を除き、旅客が会社の路線のみの運送又は会社の路線と他の運送人の路線とにまたがる運送につき発行された有効な航空券を提示した場合には、会社は、旅客がその航空券面上の路線上の運送につき会社の指定する事務所で会社所定の時刻までに差出した手荷物を、受託手荷物として受付けます。
ただし、次の場合には、会社は受託手荷物として受付けません。
(a) 航空券面上に指定された到達地以遠の運送又は航空券面上に指定されていない経路による運送につき差出された手荷物の場合。
(b) 会社規則に別段の定めのある場合を除き、途中降機地以遠の運送につき差出された手荷物の場合、及び到着する空港と異なる空港から出発する接続便へ旅客が乗換える地点以遠の運送につき差出された手荷物の場合。
(c) 会社が手荷物運送協定を締結していない運送人又は会社と手荷物運送条件が異なる運送人への積替を行なう地点以遠の運送につき差出された手荷物の場合。JALの「国際運送約款(旅客及び手荷物)」からの抜粋 第11条 (手荷物) (C) (受託手荷物)より
一応ね、アンダーラインをしたように他の航空会社の航空券を提示した場合は受け付ける、とは書いてあるんだけどね。海外の空港の事情もあるから‥
もう一つのアンダーライン、運送協定を締結してない航空会社と言うのはLCCとかが多いです。
最近はLCCと思いきやLCCでない航空会社もあるからね。(例:吉祥航空)
やはり都度確認をするしか方法はないし、ロストを防ぐためにも乗継地での預け直しを選択するのもいいかもしれません。
もちろん乗継時間を十分に取って、乗継地でのビザの要否を確認してからの話ですが。
スルーにできたとしても、乗継時間が短いと「人は間に合ったけど荷物は間に合いませんでした」という事にもなりますしね。(この場合はだいたい次の便で来る、と信じたい)
最近の事情とルールをしっかり把握して、対策を講じましょう。
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