添乗員を何年やっててもロストバゲージ(略してロスバゲ)を経験したことがない!
という人がいてびっくりしました。
私は、しょっちゅうロスバゲしていたので
荷物というのはどっか行っちゃうものだと思っていました。
ちなみにフライトキャンセル(略してフラキャン)も
ちょこちょこ経験しているのに、
そうでない同僚もいてこれまたびっくりします。
ロスバゲについて書いてほしい、とリクエストを受けましたが、
こういうのはその時の状況にによって、解決法もいろいろですから
これが正解です、という話はできません。
なので、こんなことがありました的なお話をただただ書いておきたいと思います。
ロスバゲの基本動作
その話の前に基本動作の確認です。
荷物が出てこないと思ったら…
- クレームタグの半券
- Eチケットの控
- 搭乗券
をもって Lost & Baggage へ行く。(または係員を呼ぶ)
全員の荷物がロストすることはまずないので、グループの人をまずガイドさんが待っているところまで進ませます。
今なら電話があるのでアシスタントやガイドに連絡してお客さんだけで出ることを伝えてミートさせる。
で、ちょっとお待ちくださいとお願いする。
そこのカウンターでPIR(=Property Irregularity Report)を作成してもらう。
この時に聞かれるのは、
- スーツケースの形状
- 名前がついてること。荷札の色なども伝える。あと特徴があればそれも言う。
- これからのスケジュール
- 荷物を届けてもらわなければいけないのでツアー中のすべての滞在先を残しておく。(次の日来るとは限らない)
そして、必ず荷物のインフォメーションが入っているかどうか聞く!
- 積み残しなのか?
- 行先違いでどっかについているのか?
- 荷物が来る便名が分かっているのか?
- 全くのNo Informationなのか?
(昔なら情報なしって言われたらそこら辺の空港にテレックスを送ってくれって頼んでたっけなぁ。テレックスってわかるかな?)
荷物が予定通り来なかった場合、どこに連絡をすればいいのか?も聞くんだけど最近はどこの航空会社もWEBページをみろ!って言われるだけなんだよね。
これがさぁ、なかなか使えない。情報がアップデートされない。空港を出た後の追跡ができない。でも諦めずに何回もアクセスする。
もちろん、電話番号があるのならばそれを聞いておく。
そして担当者の名前を必ず聞いておく。
最後にもらえるものは全部もらう。
- 航空会社のギヴアウェイ(歯磨きセットとか靴下とか入ってるやつ)
- 届かなかったときにでる一日当たりの金額と請求の仕方。
- だいたい日本に帰ってからその航空会社に請求する。
あと、海外旅行保険の中にも荷物が届かなかったときとか6時間以上の遅延の時に補償が出る場合があるので、保険の加入があるかどうかも確認しておきましょう。最初に作ってもらったPIRが証拠になります。
あとは、いつ来るか分からないけど不安いっぱいだけど、ほかのお客さんも待ってるし、ヨーロッパの場合ほとんど夜だし、疲れているし… 空港を後にします。
お客さんはよっぽど慣れてない限り、怒っているので(もしくは困っているので)できることはしてあげましょう。
- パンツやシャツなど買えるとこがあれば案内する
- ホテルにも相談してもらえるもの借りれるものを案内する
- 自分が持ってるもので間に合うものがあればあげるまたは貸してあげる。
添乗員によっては「1泊分の荷物を手荷物に!」っていう人もいますが、私は荷物少ない派なので持ちません。2‐3日同じ服着ててもあんまり気にならないからね。
同じ服なんて2日も絶対に着たくないという人は、1泊分のセットを持っていた方がいいかもね。
カナダで翌日にコロンビア大氷原に行くって時に、自分の荷物だけロストしてジャンバーがなかった時はちょっと寒かった。
荷物はなかなか来ません!ので覚悟しましょう。
今は、ICチップ付きのタグが検討されていたりしますが、居場所が分かっても手元に届かないなら同じこと。
いくら機械化が進んでも今現在ではまだまだ手作業が入りますから、ロストしなくなることはまだないです。
なので、ロスバゲは起こる得ることとして準備しておきましょう。
とりあえず初動は確認できたと思います。
とにかくお客さんの気持ちは、しょっぱなから下がりまくりになってしまうのでしっかりケアしましょう。
長くなってしまったので、2回に分けたいと思います。
では、続く…
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