添乗員の仕事

海外添乗員 初心者向け トラブル ロスバゲしたら その2 実例集

添乗員の仕事

続きです。

ここに書くことは、あくまで私の体験談であり、同じことが起こったとしても、これが解決法になると言うものではありません。あしからずご了承ください。

荷物を空港に取りに行く場合、向かう場所はアライバルホールの税関です。

ここで事情を話して中に入れてもらうのが一番早い。

そこら辺のターンテーブルかLost & Foundのカウンター前ぐらいに転がっているスーツケースがいっぱいあるのでそこから探しだします。

基本的に荷物の引き取りにはパスポートが必要です。

でも今は添乗員がパスポートを預かることが禁止されているので、

お客さんと一緒に行くのが一番望ましいです。

一番遠くまで取りに行った話

スペインで、滅多に起きない全員の荷物がロスト!したことがありました。(かなり昔)

この時はいろいろあってたぶん全員分

行程は、バルセロナinマドリードoutの定番募集コース。

バルセロナでは結局1個も出てこなくてグラナダで数個をゲット。もちろん空港まで取りに行きました。

重要ワード「税関」(西)aduana アドゥアナ(伊)dogana ドッガーナ

空港に行ったら「税関」の表示を探して(聞いて)向かいます。 

どの荷物が届いているかまでは、分からないのでとりあえず添乗員一人で向かいました。

PIRは添乗員が全部持っていきます。

この時はバスの運転手さんが空港まで乗せてってってくれるというので甘えました。(グラナダの空港は街から近い)

そこで新たな情報をゲット。セビリアの空港にけっこうな数が届いていると。

しかし次の宿泊地はコルドバ。(コルドバには空港がない)でももう4泊目。荷物がない状況も限界にきている。荷物がそこにあると分かっている以上はやはり取りに行きたい。

意を決して、夕食が終わった21時過ぎ、タクシーチャーターしてセビリアまで片道2時間走って行きました。つまり往復4時間。(タクシー代は航空会社に請求)

この時が、一番遠くまで荷物を取りに行った記録です。

頑張ったおかげで15個くらいの荷物をゲット。でもまだ全部じゃない。

その後、結局マドリードで最後の荷物が届いて全部の荷物を取り戻すことができました。

復路航空機の中でほかのグループの状況を聞きましたが、どこに行っちゃったのか手元に戻らなかった人達がいっぱいだったため、取りに行って本当に良かった、と思いました。

ロストしたら、取りに行くというオプションも考える事。

人がたくさん動くとき、荷物もたくさん無くなる

クリスマスシーズンのフランス(CDG)で学生の子の荷物がロストしました。

たぶん翌日の便で着くのでホテルにデリバリーするよ!と言われたけど信じてはいけません。

こんな人でごった返しているときに、自分たちが到着した時に、ターンテーブルの周りにほったらかしになっているスーツケースを大量に見てるのに、空港の人が私たちの荷物だけちゃんと届けるなんてことは絶対にありえない。

翌日の昼からフリータイムだったため、添乗員が空港まで取りに行く事にしました。

係員に尋ねると「荷物が多すぎてどこにあるか分からない」と言われ、私は「自分で探すから倉庫につれていけ」と直談判。

日本人のスーツケースってなんかわかるよね。きれいだし、ベルト巻いてる人多いし。

でも一番目立っていたのは、うちの荷札!

名古屋出発時に、荷札を付ける場所を説明して、ちゃんと言うとおりにしてましたから!

2つぐらいだったかな?無事ゲットして帰ってきました。

荷札は大事


旧正月の香港経由ベトナムの時も全荷物ロストしました。これは積み残し。

でも、ベトナムだからね、ろくな情報が入らない。アジアでロストは少ないんだけどね、基本。

この時はガイドさんと二人で、取りに行きました。

私、この時始めてベトナムでバイクの二人乗りに挑戦しました…

ベトナムの空港では当然ガイドさんなど現地の人は空港に入れませんから、一人で30個くらいの荷物をカート6個ぐらいに載せて、そのあとそれをすべてX線検査に通して、税関審査を通ってタクシーに積んで帰ってきました。

この時は、翌日に荷物が出てきたので1日当たりの補償額が少なかったし、ベトナムのカウンターではお金がもらえなかった。そこの部分は日本で請求することにして一旦ホテルへ。

CXのトラベルキットはマラって来たと思いますが、とりあえず市場でポロシャツを購入し来てもらいました。(日本は冬だけどベトナムは暑い)

みんなお揃いの服装になり、苦笑い。ホテルさんからも寝巻を提供してもらいました。

旧正月時のアジアやXmasシーズンのヨーロッパは要注意!

証拠をいっぱい残しておく

ドイツで5つくらいの荷物が、積み残しと言われ到着しなかった。(出発するときに荷物が置いてかれるのを見ていたので、初動は早かった)

荷物を載せてくる便名までわかっていたので、「翌日に取りに来るから」と係員に言い残し、何を持ってくればいいのかを確認。(この時にパスポートと言われなかった!)

翌朝パスポートは預かれないから、レポートだけ持って空港へ。

荷物を取りに行く場所も聞いていたし、どう手続きすればいいかも聞いていた。

そして、荷物が到着していることまで確認できたのに、「パスポートがないから渡せない」と言われてしまった。

こんな時こそ、言わねばなりません。「昨日の係員はそんなこと言わんかった!ここにきてこうすれば引き取りができると言われた。なんならその係員を連れてこい!」とお願い。

幸いにも、その係員が働いていたので、私の顔を見て「あ、このTCがグループのTCで間違いいない」と言ってくれたので引き取ることができました。

いつでもどこでも必ず自己紹介をして、相手の名前も聞いておきましょう。

そのあと、税関で荷物を開けろ!と言われたけど、鍵も預かってきてなかったから

「私たちは日本人。酒も何も持っていない!信じてくれ!」と言い切って無事通関。

こればっかりは、”美人は得” としか言いようがない出来事‥

うまく行く時ばかりではない

ベネチアの空港でロストしたとき、絶対にイタリア人が荷物を運んできてくれるなんて思ってないので、翌日に船に乗ってマルコポーロ空港(ベネチアの空港の名前)へ。

ところが、もう配達に載せたよ!と言われびっくり。ちょうど入れ違いになってしまいました。

急いでホテルに戻り、確認したところ「たった今きたよ!」と嬉しいお知らせが。

空港までの交通費を請求することはできなくなってしまったけど、荷物が届いたのでまぁそこはいいや、と思って済ませました。

たまにはできるんだね、あの人達も。

システムがちゃんと働くこともある。

でもその前のイタリア周遊ミラノinローマoutの募集ツアーの時は、全然届かなかったもんね。

ツアー中ずっとリナーテに電話かけ続けて、ようやく最後ローマで発見。

ローマの最終日のフリータイム時にフィウミチーノまで取りに行って無事ゲット。

やっぱりターンテーブルの横に放って置かれていました。


そのほかにもいっぱいロストを経験しましたが、一番大事なことは

諦めない

誰かに助けてほしいと思うこともあります。

手配ものなら日本に連絡して航空会社にPushすることも一案でしょう。

でも、あんまり効果はありません。(ただし、なにかで発生したものを事後請求をする場合、報告をしておいた方が何かと便利かもしれません)

カナダで自分の荷物だけロストした時、追跡はWEBサービスしかないって言われているのに、(添乗員の悪い癖で)空港の裏番(公開されていない電話番号)がないか、ランドさんに電話したこともあります。

「ない」って言われたけど。(当たり前か‥)

航空会社とのトラブルは、ランドオペレーターには全く関係ありません。

荷物を探すのは添乗員の仕事です。

たまに、ランドオペレーターに対して「なんで何もしてくれないんだ?」と怒っている添乗員がいますが、お門違いです。

ロストは航空会社が悪いのであって添乗員が悪いわけはないのに、添乗員に怒ってくるお客さんと同じです。気を付けましょう。

お客さんに対しては、根気よく進捗具合と補償される内容を何回も説明しておきましょう。

荷物が出てこないのは本当につらいです。

グループの中でロストが出たとき、添乗員は「自分の荷物もロストしててくれ」と切に願います。まじで。

そして海外旅行保険には、絶対入っておいた方がいいです。


ということで、今日の歌は、井上陽水「夢の中へ」

♪探し物は何ですか~ 見つけにくいものですか? ♪

以上。

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