人っていうのは不思議なもので、人数が増えたから人数が増えた分だけ手間が増えるのかと言うと、そうではない。想像以上に手間が増えるが正解です。
普段バス1台だけの団体旅行でもなかなか手間がかかるものですが、コレが10台20台と台数が増えていくと、普段には考えなくてもいいオペレーションが必要になってきます。
なので、大型団体を取り扱うときに添乗員として気を付けなくてはいけないことをまとめてみましょう。(1台口の時は気にしなくていい事を中心に)
バス
バス号車の表記方
今では少なくなってしまったけど、4とか9を欠番にすることがあります。純粋に縁起の悪い番号だからですね。「あなたは4号車」って言われるとそれだけで「え!4号車?」って思われてしまうくらいなら外してしまおう、という事です。
でも欠番を入れると台数が合わないのも実は面倒くさい。
なので「4号車」を「寿号車」とすることもよくあります。とってもめでたい印象でいいよね。
そして次に正番走行か逆番走行か問題。
これは、しっかり決めておかないとバス会社も困ってしまいます。なぜなら先頭号車にはチーフの運転手が乗るからね。
逆番にするメリットは、台数で動くときに対向車線の人が後何台来るのかがすぐわかること。
台数口でもバラバラで行動することはそんなに気にしなくてもいいかもしれません。
バスの看板。これは添乗員からしたらできるだけ通番にしてほしい。
と言うのも、たまに名古屋1号車、豊橋1号車、岡崎1号車と1号車がいっぱいある場合がある。たぶん取りまとめているときはそれが便利なんだろうけど現場では1号車がいっぱいいて紛らわしいもんね。
ホテル
バス1台で到着するなら、「●●時くらいの到着です」と連絡しておくだけで言いだろうけど、台数口になればまず宿の前に何台バスが付けれるか? (たまにお宿さんまでの道のりがものすごく細くて誘導にでてもらわないといけない場合もある)を確認。エレベーターが何台あってチェックインの鍵渡しのスペースはどうするのか‥などなど
チェックインから夕食までの時間がすごく短ければ、エレベーターが動かなくて大渋滞。
出発時間をずらしておいても、遅刻者続出でうまく運び出せません。
またチェックイン時間ちょうどに全台到着なんて、言語道断です。
たしかにチェックイン時間なんだからそれまでにお部屋をUPしろ、と言いたくなる人の気持ちは分かりますが、それは同じ観光業に身を置くものとして野暮と言うものでしょう。
ちゃんと前日のお部屋の稼働率、何時ごろの到着が何台可能かを事前に打ち合わせしましょう。
チェックイン
鍵の渡し方としては、バスが到着した時のバス内渡し、ロビーに専用ツアーデスクを作ってそこでのお渡し、部屋入れといろいろあります。
とくにホテルだとツアーデスク渡しが多いですよね。
そんな時にお部屋番号リストを見比べながら鍵を渡すのはとてもナンセンス。時間がかかるし間違える元。
ホテルに事前にどのようなキーホルダーの形状化を確認し、もし名前があ行っていないなら名前シールでも作っていって備えましょう。
看板
たまに準備を忘れている人がいますが、これ重要です。
顔の分からない人を迎えるわけですから、できればその会社のロゴなどをもらって分かりやすく表示したいものです。
私はよく号車番号の書いてる看板と、誘導時に使える会社名だけ書いた看板の2種類を準備します。
レストラン
これもホテルの入込と同じ。駐車場に何台はいるのか?駐車場がなく、またはちょっと遠い場合はドロップして逃げてもらいますよね。
その時の乗務員さん達の弁当はどうするのか?ガイドは降りて誘導で大丈夫か?
大きな団体になると先乗り添乗員を置いたりします。(お金のないツアーではできませんが)
先乗りした場合のお仕事は↓↓から
国内でも同じようなものです。特にアレルギー食のある場合や別メニューを頼んである人の席の確認は大事です。
支払方の確認も大事ですよね。クーポン発行するのか振込なのか?
大人数の時は、ほぼ絶対当日減員がでるのでクーポン後送りの方がいいかもしれないけど、これも難しい問題だね。
引継ぎ
そんなこんなを考えながらツアーの準備をし、迎える添乗員さんとの引継ぎ。
大人数の添乗員さんの日程をわせるのがまず大変。繁忙期であればまず揃わない。
他地域の添乗員を使うのであれば、「だいたいこんな感じでやっといて!」という丸投げもできません。
引継ぎの資料をそろえるため、普段なら添乗前日までに準備すればよいことをツアー1週間前くらいまでに整えてかなくてはなりません。
名簿も全て渡してしまうので、その後の変更やキャンセルがあったときの連絡方法も決めておかなくてはいけません。
色分け
これ、意外と重要。
荷札、ネックストラップはもちろんの事セットアップや、何かしらの引換券。
会社ごと、宿泊ホテルごと、飛行機毎、出発空港毎…
何をどこに配色すべきかしっかり考えましょう。
懇親会会場のブロック分けももちろん何かしらに準じた色を使い分けなくてはいけません。
その時に注意するのは、できるだけ似た色は使わない事。
赤とピンク、青と水色など特に外国人と日本人は色の呼び方が違ったりするからね。
ちなみに色に並んだら色彩心理と言うものを活用するといいらしいです。→ 参考記事
名札
何百人、何千人と言う規模の会社になると、同じ会社と言うだけでお互いの顔を知らないなんてことはざらにあります。
もしくは、電話ではよく話しているけど実際に会うのは初めてです。という事もありますよね。
そこで重要なのが「名札」
名札の表記には、所属を入れるのか、役職を入れるのか名前は漢字だけなのかフリガナを付けるのか‥
ついでだから、裏面にはパーティー座席の番号を入れるのか、乗車するバスの号車番号を入れるのか‥
これは、懇親会などで座席指定をするときにも同じことを考えなくてはいけません。
席札の時は、「様」を付けるかどうか問題も出てきますね。
シフト
人数が多くなればなるほど、営業担当者の声は届かなくなります。
添乗員がものすごく多ければ、ツアー中にもう担当者に会うこと自体もうないでしょう。
そんな時、添乗員はシフト表を見て与えられた担務をこなします。
って言うことは、事前に全員分のシフトを作らなければなりません。
これはなかなか大変ですよ。
偉い人には気を使いますしね。
打ち上げ
大型ツアーは本当に大変ですが、終わった後の打ち上げを想像すれば頑張れます。
とある営業マンは言ってました。
「仕事は打ち上げを想像しながらやろう!」
これ大事。
あまりにも大きな団体になるとお客さんの顔も見ないまま事務局内で終わってしまう、という事もあります。
普通なら、お客さんに「ありがとうね」なんて言われて頑張った甲斐があったな、なんて思いながら「終わったな」と思うものなんです。
でも団体が大きすぎるとお客さんからの声なんて全く届きません。
ツアーが成功しのか、失敗したのかやきもきしながら終わってゆきます。
それでも打ち上げ時に「高評価もらいました」と聞けばホッと安堵します。
まとめようと思っても、なかなかまとまらないものですね。
やることはたくさんあるんだけど、これを口で説明してもなかなか理解してもらえない。
とにかく人数が増えれば手間は数倍かかるという事は覚えておきましょう!
以上
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