添乗員というものは、時には無理だと分かってもいても行かなくてはならないときがある。
(格好よく言ってみた。)
行程表を見れば嫌な予感がする。
こんなにたくさんの観光地回れるわけないじゃないか?
まさか、あの国の1日は24時間以上あるのか?と疑いながら…
または、「今のこの時期にそこ?」と行ってどうするのか?と思うようなところにもいかねばなりません。
当然、想定通りの事が起こります。
という事で、「I knew it!」
苦しい言い訳
オーストラリア
まだエアーズロック登山が許されてた頃。参考:ウルルに登れない理由 オーストラリア
ツアーパンフで「最後のチャンス!」とばかりに煽って催行したツアー。
「その時期はシーズンオフですから!登れる可能性なんてほぼありませんから~っ!」とアサインされた時から思いました。
そこから素敵な言い訳を考えますが、素敵な言い訳なんてありません。
とにかく可能性は0ではないわけですから、何が起こるかなんて誰にも分らない。
で、添乗員の愚痴の行先はランドオペレーターへ。
添:「こんな時期にツアー作っていかん、ってアンタたちも企画に言わないかんわ!」 ランド:「ランドの言葉なんて耳に入りませんよ。相談じゃなくて『ツアーはこれです。』って指示だけ来るんだから」
トルコ
久しぶりにトルコに行った時の事。
募集パンフレットをみると、ただでさえ昔から忙しい日程がさらに過密になっている。
過去のツアーの報告書を見ても、「む?」と思ってしまう内容。
現地に行って二日目。ガイドが言いました。
「これ、こなすの無理」
だよね~。
一応催行個所に連絡。
ガイドさんはもちろん日本サイドには言うな!と言います。
その理由は、
1.言ってもどうにもならないことを知っている。
2.文句を言ったら自分の立場がわるくなる。
(添乗員やガイドはそれくらい立場が低い。)
だけど、報告しました。
だってこの先「これはいける」と勘違いされても困るから。
結果から言えば、どうにかしましたよ。(詳しくは言えない)
もちろん、傍に迷惑をかけたことは言うまでもなく2連泊でやっとゆっくりできると喜んでいるお客さんに対して朝7時半出発(夜明け前)、星空を見ながら帰着というスケジュールを課すことにはなりましたが。
とにかくパンフに書いてある箇所は全部回った。
イギリス
エディンバラからロンドンまでいろいろな街をバスで周りながら降りてくる定番ツアー。
どこの旅行社でも扱っているような定番ツアーだから観光地をいっぱい入れたいのは分かる。
でも!飛行機に乗るわけでも列車の時間があるわけでもないバスツアーで、朝食をBOXにしなくてはいけないような行程ってどうよ?
(添乗員さんは知っていますが、バス内は飲食禁止です。)
どこで食べるの?公園でピクニックできる時間があるならBOXにはしないよね。
カナダ
これも定番紅葉ツアー。
モントリオールに到着してロレンシャン行って泊まって翌日ケベックに宿泊というなんでもないコース。
紅葉が見れる見れないはその年々で違うので、時期がばっちりあったらラッキーですよね。
でも、ルートは地図みりゃ分かるだろう?
なんでロレンシャンからケベック向かうのにモントリオール観光が入っとるんだて!(怒)
現地でガイドにも聞かれる。「なんでこんなコース取り?」
このツアー何年も前からこういうコースらしい。毎ツアー添乗員が「これはおかしい」と報告書に書いてあるのだが催行個所は見てないのかな。
私は「それならこういうコースにした意図を教えてください」と言ったがこれも返答なし。聞こえてないのかな?
ぱっと思い出すツアーをつらつら書いてみたが、愚痴を言い出すときりがない。
(上記はすべてただの愚痴です。ほんとはまだまだいっぱいある。)
そんなツアーに行った時の添乗員の役割は、少しでもツアーの印象をよくすること。
とにかく、高いお金を払ってツアーに参加したお客さんに罪はない。
- エアーズロックには登れなくとも楽しい旅行の思い出を作って帰ってもらう。
- 実際、アボリジニの人たちの聖地であるから、彼らは登ってほしくないわけだからね。その気持ちを知ってもらって、オーストラリアという大陸にはこんな地域もあるって知ってもらって。ウルル周辺を観光するだけで十分楽しい所です。
- トルコ 良いことをことさら強調する。
- 「この時間にでることで見れる景色がある」「この時間に行けば空いてる」「ライトアップもついでに見れる」(ホントは夕食後に見に行くはずだった)など利点をあげまくる
- イギリス これはもう交渉してホテルで食事できるように変えてもらったね。
- さすがにOKもらうまでドキドキだったけど、朝食BOXだなんて言えなかった。その他の日もドライバーさんまで使いまくりでどうにかロンドンまで。いい運転手じゃなきゃ無理だった。
- カナダ これは対処のしようがなかった。
- こんなもんなんだ、という態度で乗り切る。たかが2時間のSSのためにしょっちゅう渋滞する大都会モントリールに時間がいろいろ間に合わなくなるかもという危険を冒して乗り込んでいってるというそぶりは見せない。
今回は募集ツアーの事を書いてみました。手配ものに比べればこんな事はまだかわいいもんだね。
I knew it!と言える。
手配ものだと出発時にFINAL Iteneraryさえもらえないときがあるもんね。(どうやって行くんだ?)
あ~それでも早くどこかへ行きたい。
という事で、今日の曲は「天使の休息」
♪言いたいことなら~ 腐るほどあるのに~♪
以上。
コメント
こんにちは!
これ、ホントですね。ガイドさんも添乗員さんも、旅行会社が作った
(と、いっても、ラン・オペに丸投げだろ( ´艸`))
日程に従うしかないんですものね。
私もツアー日程眺めて、(こりゃ、あり得ないだろ!!)と思う時が多々あります。
一昔前は、「現地を下調べしてからツアー商品を作る」
「現地を知ってる人が企画し、自ら添乗に出る」ってやってたから、
こちらも満足が行く旅でした。しかし今は(なんだかなー?)って感じです。
実際「ツアーを企画した人間が、現地に行った事がない」なんて珍しい話じゃないですもんね。加えて添乗員自身がその国初渡航だったりして。
一方、客は一度限りになるかも知れない国へ、楽しみにしているから下調べをする。意外と客の方が知っていたりするわけです。
添乗員さん、「添乗して・精算して・また添乗に行って」って、
繰り返しだから、細かい事まで調べられないでしょうし…。
ある会社のホームページに、これまでのツアーの記録があるんですが、
客のアンケートでも添乗員報告でも、改善点が上がっているのに、企画担当は無視。あくまでランオペに丸投げ。でクレームがあれば添乗員さんに丸投げ。
ふざけてますよね。
私はパンフを事前に眺めて、おかしなところがあれば旅行会社に交渉します。
勿論、現地情報も添えて。
それでツアー出発前に改善されたこと、結構ありましたよ。
ツアー企画・ランオペの情報って、何カ月も前じゃないですか。
ところが実際の出発日には状況が変わっている。
パンフレット通りになる時もあれば、ならない時もある。
そこは添乗員さんの腕にかかっているわけだけど、
出発前に判れば、手配のし直し・出来ますからね。
それと、現地ガイドとドライバー…。
添乗員さんと「馬が合えば良い」けど、そうじゃない時もあるようですね。
見てて笑っちゃう時もあるけど、そこは「客」もカバーする。
何日間か一緒に過ごせば、皆まぁーるくなる(^▽^)/
まぁ、これは少人数だからかも知れませんが…。
以上、通りすがりの客でした(^▽^)/