日本が治安がいいだなんてもはや思っていませんが、それでも街中で突然刺されるかも、と意識しながら街を歩いたりしてません。
このサイトの中でも、危険な国についての事は何度か紹介しています(参照:イタリアって怖い?)が、そういった状況を知ったうえでお客さんにどのような注意をするべきか。
気を付けて、だけでは足りない。
ヨーロッパってスリや置き引き、ジプシーなど大変犯罪が多いです。
私はよく初めのご案内時に「今回の旅行に行くにあたって、周りの人から「あの国は泥棒が多いらしいから気を付けて!」と言われてきた人~?」と聞いてみます。
そうすると、だいたいの人が「は~い」と返事をします。
「そうですか。それはその通りです!」と答えます。
周りから言われてきたけど、一緒に行く添乗員から言われてると真剣さが加わります。
そして、もし泥棒の被害に遭った時の責任の所在をしっかりさせておきましょう。
荷物を見といてね、と預けたらその人が泥棒に遭った。これは泥棒に遭った人が悪いんじゃなくて、自分お荷物を人に預けた人が悪い。(もちろん泥棒が1番悪い)
なぜ、このような話をするかというと、もしパスポートを取られた時、団を離れて行動しなくてはなりません。
ご一緒してるお友達が責任を感じて、「私も残るわ!」と言われてもお友達の分の費用はだれが払いますか?本人なら保険でカバーできる部分も、お友達分まではカバーされません。
全部の滞在費が2倍になってしまいますからね。ご夫婦なら一蓮托生かもしれないけどお友達はそこまでじゃないでしょ。(お金は全部私が持つから一緒に残ってって言うならそれも良い)
日本人が狙われるわけ
- 現金を持ってる
- ちょろい人が多い
よく日本人からはお金の臭いがする、なんてあちらでは言われたりしていました。
まだまだ現金主義なんですよね。そして無防備。
かという私も、泥棒に遭ったことあるし、目の前でお客さんがお金とられたこともあります。
あ、泥棒だ!と思って大声出して追い払っても、もう後の祭りでした。しっかり盗まれていました。
プロの泥棒に勝てるはずはないので、盗まれたとしても被害を最小限にとどめることが大切です。
置き引きとかの方が実際は多く、いつ盗られたか分からないという状況の方が多いのだけど、もし思いっきり白昼堂々横断歩道で信号待ちしてる時とかにリュックサックをガサゴソされたような場合は、おとなしく抵抗しない方がいいでしょう。
バイクできた泥棒にカバンを引っ張られた時もそのまま引きずられるくらいならカバンを離してください。
命の方が大事です。
- 現金をできるだけ持たない
- 分散させる
- リュックやポケットに入れない
財布をもたないっていうのもアリだね。
ご案内方法
何度も繰り返し気を付けてと言っても、「どう気を付ければいいの?」となってしまいます。
- その国でよく起きてる被害の実例
- 泥棒はみすぼらしい格好をしてるとは限らない
- 街で歩いてるときの注意
- 公共交通機関に乗る時の注意
- 食事をしているときの注意
- 何かあったときの連絡先
出発前や初日は大雑把に「気を付けて」というだけかもしれないけれど、ツアーが始まったらそれぞれの状況での注が必要だと思います。
教会や美術館見学時にはスリ。(なんか押してくる人いたら注意)
電車はバスに乗ったときは、席が空いていれば席に座る。席がなくて立ってるときは、大げさなくらいカバンを抱きかかえて「泥棒を警戒しています」オーラを出しまくる。
もちろん、高級ブティックでお買い物した時には地下鉄・バスは乗らない方がいい。
昔、日本は「ポルシェに乗って銭湯へ行く」と揶揄されていましたが、
ヨーロッパは階級社会です。
高級ブティックでお買い物する人は、公共交通機関を使いません。
そして、食事中ですがバックを体から離さない。ビュッフェを取りに行く時に場所取りのためにカバンを置かない。
(修旅生にカバンを置いてっちゃダメ!と注意したらスマホを置いてった。まだまだ修行が足らないな、私)
何よりも添乗員が見本を見せることですね。
人に注意してるのに、自分は大丈夫とでも言わんばかりにカバンを斜め掛けにしてないとか、荷物をどっかに置きっぱなしにして仕事してるとか全く言葉に信ぴょう性がなくなってしまいます。
そして、何かあったらすぐ連絡が取れる体制を整えておくこと。
添乗員の携帯電話を教えておくことは基本ですが、携帯電話って万能じゃない。
街中の日本人向けのお土産屋さんがあれば、緊急時には駆け込むように、とかホテル到着した時にタクシーの料金に納得してないならお金を払わずにホテルスタッフを呼べ、とか。
添乗員もいろいろな場所に携帯電話番号を伝えておくといいね。
「添乗員さんってフリータイム中は何してるの?」と聞かれますが、たぶん「心配してる」と思う。
家に着くまでが旅行です。
本当かどうか証拠はないが、添乗員の中では「帰国日前日が一番盗難に遭いやすい」と言われています。
たぶん、1週間ほど滞在した結果「言うほど危険じゃないじゃん」「なにも起きなかった」という油断が出てくるんだと思います。
さらに、帰国日前日にはフリータイムが設定されてる場合も多くあります。
帰国日前日にパスポート盗られたら、よっぽど運がよくない限り翌日には帰れません。
逆に言うとパスポートさえあれば帰れます。だから財布がないと前日に騒いでも特にもう何もしてあげられません。
そしてお客さんは「添乗員さんはああ言っとったけど、でも」盗られた(または忘れた)財布が戻ってくるんじゃないかとちょっと思っています。戻ってきません。(もう探しません)
盗難の場合で警察に届けに行く時間がない場合は、添乗員が現認書を書きます。
そこに被害状況、被害物品とその金額を書きますので、それをもって自分で保険会社に請求してください。(現金はもちろん戻りません。)
ちなみに保険会社に提出する現認書は、必要事項が書いてあれば何に書いてあっても有効です。
現認書のフォームは会社にあると思うけど、意外と持ってくるの忘れちゃうよね。特に手配ものの場合。なので何を書くのかを知っておきましょう。
そして必ずコピーを取って控えを会社に提出しましょう。
私は一度だけですが、保険会社から確認の電話が入ったことがあります。
必ず事実を書きましょう。
念のため保険会社のQ&A JI保険の場合
Q:事故証明書がありませんが、請求できますか?
A:【スーツケースおよびカメラの損害】
事故証明書・添乗員が作成した現認書をお持ちの場合はご同封下さい。お持ちでない場合は、保険金請求書に詳しい事故の状況をご記載頂ければ結構です。
【上記以外の損害】
事故証明書・添乗員が作成した現認書をお持ちの場合はご同封下さい。お持ちでない場合は、保険金請求書の第三者証明欄の右にある自認書の欄にご署名・ご捺印を頂ければ結構です。
という事で今日の歌は、桜田淳子「夏にご用心」
♪夏は 心の鍵を 甘くするわ~ ご用心♪
以上。
コメント
私は幸いなことに、まだスリにもボッタクリにも遭った事はありません。
しかし同じツアーの中で、必ず1人は遭っているんですよね。
泥棒はプロだから隙がある人を狙うと思うけれど、
見てると各々・注意はしていると思うんですよ。
この差はなんだろう?
私が単に「金は持っていない」と、見られているって事かなぁー?
現地ガイドに伺ったところ、(狙られるのは客ばかりでなく、添乗員さんもだよ)と
言っていました。やはり「携帯金」を持っている事を知っているのでしょうね。
添乗員さんから見て、
(この客は狙われそう) (こいつは大丈夫)って、あるのでしょうか?
コメントありがとうございます!
そうなんですよね、私も盗られてるし、私のお客さんも気を付けてないわけじゃないし。
添乗員の場合は、深刻です。おっしゃる通り携行金と下手すると現地で集金したオプション代金もあります。(今は少なくなったけど)
盗られれば、当然自腹で弁償します。だから追いかけちゃって怪我したりするんですよね。
命の方が大事です。
添乗員から見て「このお客さんやばいな」と思ったらすぐ注意するからね。
盗られた人並べてみても共通項はありません。
でも、ほとんどの人はお財布を別してたから、大きなお金とられた人は少ないですよ。
財布を別にする、は大事ですね。
泥棒が見てるのは、「隙」よりも、タイミングかも。
難しい…