添乗員になるには
こんな世の中で海外旅行の添乗員になりたいなんて奇特な人はまずいないと思いますが。
そもそもなりたいという人が激減しているのに、さらに拍車がかかりました。
でも、こんな時期でもあえて言いたい。
添乗員の仕事は楽しいですよ。
1月のNHKの番組アナザーストーリー「夢の海外旅行が実現した日」見てました?
五木さんも言ってました。「旅行にけない時の空想旅行が大切だ。」
今添乗員になっておけば、稼ぎはないけど勉強する時間はいっぱいあります。
ツアーコンダクターには知識と教養が必要ですから。(番組に影響されています。)
添乗員個人の基礎学力の差はあるかもしれませんが、
初めの3~5年はずっと勉強することになると思います。
そんなにいうなら、添乗員になってみるかな、と思った方へ。
実は前にも同じような事を書いている。→添乗員の性質
以下の3つは、覚悟しておいてください。
その① 添乗先は選べません。
「私は、ここの国が好きだから」程度ではその国専属にはなれません。
(ウチの会社にはいないけど、そういう条件で契約した人なら別ですね。最低限その国の言語が話せなくてはいけないでしょう)
添乗員派遣会社にはアサイナーといって、依頼が来たツアーと数いる添乗員のスケジュールをパズルのように合わせていく人がいます。
これは本当にパズルみたいなので、行先がどこなんて構ってられません。行ける日数をみて当てていきます。
ウチの会社では、アサインされた仕事に基本NOは言えません。入ったツアーに黙っていきます。
初めてだろうが、前後がきつかろうが、ヨーロッパ→アメリカ→アジア→ヨーロッパの順番で時差がわけわからなくなろうが、あ、そこ鬼門なんだけど、と思っていようがアサイナーには関係ありません。
とにかく入ったら黙っていきます。(正直言うと、黙ってはないかもしれません)
いろんなところに行けると思うえば、それもまた楽し。
その② パンフレットで販売している旅行だけではありません。
これは所属する会社によって違いますが、私が所属するところは旅行社系の添乗派遣会社なので何でもやらなくてはいけません。
募集旅行だけでなく、修学旅行・慰安旅行・視察旅行・報奨旅行・研修旅行…
とにかく旅行と名のつくものは何でも行きます。
インバウンドのような受けの仕事もあります。(これも楽しい)
駐車場係や切符切り係のようなもはや添乗員の仕事でないような仕事もあります。
今のような時期なら内勤仕事やコールセンター業務、事務局仕事など何でもやります。
こんな状況でも良いこともあります。
- いろいろ知らなかった世界が垣間見れる。
- 自分の個人旅行では絶対に行けない場所に行ける。
- 一生会わないでいたであろう人に会える。
寒い冬にずっと外で立っている、暑い夏に給水も許されず立っているなんて仕事もありますが、それでもツアーが終わればだいたい忘れてしまうので大丈夫です。
こういった現場で鍛えられるのか、意外と添乗員はどんな仕事でもこなせます。
(正反対の事も行っています。つぶしが効かない)
その③ 給料は安く、雇用は安定していません。
この仕事が楽しいことは間違いない。間違いなんだけど、業界的に給料が安い。
その安い旅行会社の下請けになるわけだから給料が高いわけがない。
(その割にお客さんから「いいお給料もらってるんでしょう?」と言われることが多い。)
でも、お給料制度の中で生活している旅行社の社員さんは、私達添乗員の派遣料を「高い!高い!」と言います。
ちゃんと対価に見合う仕事はしているはずですが。
添乗員には、基本給がありません。仕事のない月は0です。(正確には社会保険払うのでマイナスです。)でもこれでは本当に添乗員のなりてがいなくなってしまうので、初めの数年は基本給付きという新しい雇用形態が始まっています。
今は、冒頭の番組に出てきたようなツアーコンダクター養成のための徹底的にしごかれるような講座はありません。
でも、旅行会社の方からはガイド通訳もできるしその国の歴史や文化にも全部詳しいと思われています。
だから自分で勉強します。(分からなければ先輩に聞きます。誰も行った事のないような場所なら「エイヤ」と言って行きます。)
添乗員として知っておかなくてはならない事、準備しとかなくてはならないことは山ほどあります。
勉強の時間は、労働時間ではありませんのでそこに給料は発生しません。(当たり前か)
さらには「ベテランが行っても新人が行ってもお客さんが添乗員費用として払ってる分は同じなんだからしっかりやりなさい」とものすごいプレッシャーをかけられます。
給料がちょっとでも高くなるように頑張っていますが、コロナで昇給は当分お預けでしょう。
それでも添乗員になってみたいという諸君、お待ちしております。
今日の歌は、アルフィーで「musician」
良い歌です。
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