会社の子から、このサイトを見ましたよ!とのお声をいただき嬉しくして嬉しくて…
なので、続けてちょっと真面目な添乗員の基本のキを書いてみようと思います。
状況によっていろいろなバリエーションはあると思いますが、
どこのホテルに行っても大体このようなことは
最低限みんな確認しているんじゃないかな、と思います。
それでは、チェックインの基本です。
バスを降りる前に3つのお願い
- バスの中に荷物を残さない
- バスは日々変わります。スルーであっても変更になることもあるし、ホテルに留め置きできない場合もあります。
- 添乗員は、バスを一番におりてチェックインカウンターに向かうため、忘れ物の確認ができません。
- ポーターサービスの有無
- アイテナリーにポータレッジが入っていたとしても、到着時間や曜日によってポーターがいない場合もあります。
- ポーターがいるとはっきり分かっているときは、「スーツケースはポーターが部屋まで(ロビーまで)荷物を運びます。」と伝えましょう。
- お部屋まで運んでもらうときには、時間がかかることもお伝えしましょう。(すぐ荷物が必要なら自分で持って行ってもらう方が早い)
- チェックインにかかる時間
- 添乗員はこれからチェックインをしてくるので、皆さまには少しお待ちいただくことになる、ロビーで鍵の準備ができるまでお待ちください、と案内しておくことは必須です。
- そして、トイレの場所も案内しておきましょう。
ホテルロビーに入ったら、お客さんが座れる場所を探します。
なければ立ったまま待ってもらわなくてはいけません。避けたい状況ではありますね。
私の同僚は、バスにお客さんを残してきたことがあります。
そのお客さんは、寝入ってしまってたんですね。
添乗員は乗車時は点呼しますが、降車時は点呼しません。
そのお客さんはバスの車庫まで行ってしまって、タクシーでホテルまで帰ってきたそうです。
(チェックインの日じゃなかったのでロビーでもいないことに気が付かなかった)
チェックイン
そしたら、添乗員はチェックインをしに行きます。
- グループチェックイン、プリーズ!という。
- グループのカウンターが別にあったり、担当者がいたりするのでグループだという事をアピールしましょう。
- もし、個人客で列ができていても、近くのスタッフを捕まえて”グループだ”という事をアピールします。
- ●●(旅行社名)with ●●人(●●室)です。
- ホテルによっては、同じ会社のグループがたくさん宿泊していることもありますから必ず、人数や部屋数を言いましょう。
- バスチャーがあればバウチャーも渡します。
- パスポートリストの提出が必要なら提出します。
- 昔は幹事さんやメンバー皆さんに部屋割りを渡していましたが、今は個人情報法の関係があり、そんなことも確認しなくてはいけません。
- ルーミングリストと鍵の確認
- リストが違っていたら、バゲージアップするときも、あとで部屋に連絡しようにもどうにもできなくなります。めんどくさくても確認、確認。
- リクエストのある部屋の確認
- アジョイニングやコネクティングがある時やバリアフリーなど事前のリクエストが通っているか確認
- ベストルームを聞く
- 手配物の場合、ボスにあたる人にベストルームをアサインしなくてなりません。階数、viewの有無もそうですが、ホテルの人にベストルームはこの部屋だと言われたら、理由も確認しましょう。
- ベッドの数
- ハリウッドツインタイプの場合、何も言わずにお部屋に案内するととってもびっくりされてしまいます。バス移動時など時間があるうちにベッドのタイプについては説明しておくと良いです。
ここまでしたら、お部屋のアサインが一旦確定できるはずです。必要であれば部屋番号のチェンジを依頼して変えてもらいましょう。
ただし!いったん出ている部屋番号のチェンジはけっこう大変な作業です。(ホテルの人は)登録を変えなくてはいいけませんし鍵の変更もしなくてはいけなくなるからね。
できるだけそのままを保った方が、その後の弊害を避けることができます。
確定したお部屋割りをコピーしてポーターに渡して、部屋番号を記入してもらいます。
慰安旅行の団体とかだと勝手にお部屋わりを変えていることがありますよね。これダメです。パスポート情報などが全部お部屋に登録されているので何かあったときにえらい騒ぎになります。基本はNGと案内しましょう。
どうしてもと言われたら、フロントに用事を言うときとか翌朝バゲージダウンのときとかはアサインされたお部屋番号で出してもらうなどを理解してもらわなくていけません。
ホテルによっては、レジストレーションカードに全員のサインがの必要というところもあります。
添乗員が全員分書いてしまった方が早く済むこともありますよね~。大きな声では言えないけど…
うまくやりましょう。
お部屋情報
その後、お部屋のインフォメーションをホテルスタッフに聞きます。
- 部屋番号と階数
- ヨーロッパの場合、部屋番号と階数が全然関係ない数字になってることがあります。または、部屋が順番通りに並んでいないときもあります。
- ロビー階の表示
- 地上階は0(ゼロ)、E・L・Bなどいろいろな表示があります。その上から1.2.3と階数になるので結構重要な案内です。
- 鍵の開け方
- センサー式が増えてきているのでありがいたですが、まだまだ「さして抜いてランプが光ったら」のタイプの鍵もあります。反応が悪かったり、磁気カードと一緒に持っていると使えなくなってしまったりしますから説明が必要。
- シリンダーキーの場合は大きくて、オートロックになっているか否かの説明と紛失した場合罰金になる時もあるので注意が必要です。
- メインスイッチの有無
- 扉を開けたあと、壁にメインスイッチに鍵を差し込まないと電気がつかない場合があるので、聞いておきましょう。
- セーフティボックスの有無
- 1泊しかしない場合はあまり使わないと思いますが、連泊の場合は案内した方がいいですね。
- 利用の場合は、中に何も入れないで使えるかどうかの確認をしてから利用するように案内します。
- 冷蔵庫の有無と、有の場合が空かどうか
- 自己申告式のミニバーがついている場合、今でも無料だと思ったというお客さんは少なくありません。ピーナッツや水も含めて、無料のものと有料のものを明確に説明しましょう。
- そして連泊の場合の伝票の書き方(1日分ずつ書くのか、まとめて書くのか)も結構聞かれます。
- 出発の時間が早朝の場合は早めの精算(または前日夜の精算)も案内し手置くとよいね。
- お部屋からお部屋への電話のかけ方と添乗員の部屋番号
- なにか問題が起こったら、添乗員のお部屋に電話してもらうのが一番いいです。
- 直接来られてもとても客前に出れない格好してる場合があるからね。
- 添乗員もお風呂に入るし、夜は寝るのですぐに電話にでなくても長く呼び出すか掛け直してもらうよう言っておくのも手。
- 朝食・夕食レストランの場所と時間
- 安いツアーの朝食は、グループで同じ時間に来いと時間を決められることがある。
- 朝食券があるか?なければ部屋番号を言えばいいのかを確認する。
- 無料WIFIの使い方
- これが今の時代一番難しい。
- 私たちは旅程管理については勉強してきたけどWifi環境についてや数多ある携帯電話の使い方をすべて把握していません。
- でも、これが一番聞かれるから説明する前にチェックインカウンターで自分の携帯で試してみるのも1案です。
- モーニングコール・バゲージダウン・出発時間を伝える
- 翌日の宿泊ホテルも聞かれることがある。
- バゲージダウンの荷物の置き場所。ドアの外側か中側か。
あと、サウナとかジムとかプールとかの設備は泊まる場所に応じて確認しましょう。
こういう情報は事前にネットとかで調べられるから準備しておけばいいことですね。
チェックインとお部屋情報の確認までをできれば5分くらいでは終わりたいですね。お客さんは、ホテルに着いたらすぐ部屋に行きたいとすごく思っているので、5分待ってもらうのが限界だと思う。
5分もお待たせすることができないような超VIPツアーであれば、チェックインアシスタントを雇いましょう。
もちろん何をしておいてほしいかは、指示しておかなくてはなりません。
お金で解決する方法ですね。
鍵を渡す
ようやくお客さんに鍵を渡せます。
鍵の使い方なども説明したいので、私は先に鍵をお渡ししますが、鍵をもらうとお部屋に行ってもいいのかと思われてしまうといけないので
「これから鍵を配ってから、ホテルの案内をするのでこのままもう少しお待ちください」
と一声かけてから鍵を配ります。
あと、お客さんのへの説明はできるだけ時系列にそってお話しする。
- 鍵のお渡し
- 部屋番号を(小さい声で)読みながら渡す。
- 外国人の書く数字は読めない。印字してあっても小さくて読めない場合がある。「何階の何号室」と言ってあげるのが親切。
- エレベーター・鍵の開け方など、お部屋の情報で聞いた事
- お部屋に入ったら確認してほしい事
- 電気がつくか、お湯が出るかなど不備があればすぐに教えてください。
- 時間の案内
- 夕食・朝食・モーニングコール・バゲージダウン・出発時間
- 翌日の注意点
- 天気予報、持ち物、服装、最初のトイレまでの時間など
- おねがい
- 非常口の確認、困ったことが起こったら?、精算は早めに済ましておく、出発前にトイレを済ましておくなど
- ポーターが荷物を入れるまで時間がかかる。
いつもしゃべる順番を決めておくと、言い忘れを防ぐ事ができますね。
最近は、書面を渡すことが多くなっていますが、私が習った時代は、
「自分で書くことで、記憶する」から書いてもらった方がいい、と言われていました。
でも今の時代はそうも言ってられないからね。
書面のお渡しだと、誤表記があった場合に大変なことになっちゃうから
書面で渡すならば、情報は正確に!
あとヨーロッパでは、エレベーターがだいたい小さいのでたくさん乗れませんよ~。
お客さんがお部屋に上がったら、添乗員は急いでポーターのところに行き、お部屋番号を書くのを手伝います。そして荷物をあげてもらいます。
その後、お部屋まわりに向かいます。(必要に応じて)
バスタブの使い方や電気のつけ方コンセントなど、部屋に行かないと気付かないことも多いから、時間に余裕があるならお部屋まわりはした方がいいかもね~。
お客さんが待ってると思うと、すっごく焦るけど慌てないでください。
説明が早口になると耳に入っていきません。
気は焦っていても、表面は余裕ぶっこいて頑張りましょう。
私は最後にホテルの人にこう聞きます。
「なにかあなたから特別なインフォメーションはありますか?」
自分では気づかなかったことや、そのホテルでよくお客さんが困ってることなど教えてくれたりしますよ。
ということで今日の歌は、藤井一子「チェックポイント」
以上!
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