よもやま話

添乗員の昔話 怖い人 優しい人 逆らってはいけない人 プロ professional

よもやま話

今は、どんな職業の人でも「偉ぶらない」というのがいいみたいです。

でも、ちゃんと怖い人はいます。

それは、偉そうにしてるとかそういう意味でなく本当に責任を負う人たち。

プロフェッショナルな人々の話です。

バスドライバー

スキーバスの大きな事故があった時、バスドライバーの高年齢化が問題だと叫ばれていました。

果たしてそうだったのでしょうか?

大型の観光バスに40人程のお客さんを乗せて運転するというのは、ものすごい重圧です。

私が聞いた話だと、観光バスの運転手さんというのは

  1. トラックの運ちゃんで大型免許取得
  2. バス会社に入って2種免許取得、路線バスに乗る
  3. その後、近距離から観光バスに乗車

経験を積んでこそのお仕事だ、という事でした。

つまり若ければいいと言うものではないのです。

今のようにナビゲーションもバックカメラもない時代、高速道路だって今ほどたくさんありませんでした。

地図は全部運転手さんの頭に入っていたし、通れる道通れない道も運転手さんが知っていました。

そして、観光バスは塗装代がむちゃくちゃ高いのです。

車幅ギリギリのトンネルの通り抜けで、トラックとすれ違いでもう駄目だと思った時はトラックが自分の車体を傷つけてまで道を譲ってくれた、という話も聞いたことがあります。

運ちゃんの世界の力関係が分かるエピソードです。

だから添乗員さん、休憩室ではお茶ぐらい入れてあげましょ。笑

でも最近は運転手さんも若い人が増えました。

それはそれでよいことです。

シェフ

よく、コントやドラマで「おいしかった、シェフを呼んでくれたまえ」みたいなシーンがあります。

でも、実際は簡単には来てはくれません。

私たち添乗員がホテルのバンケットなんかでシェフを呼ぼうとすれば入念が打合せが必要です。

もちろんシェフと直接打合わせなんてできません。ホテルの営業マンとです。

なぜかと言えば、名の通ったホテルのシェフというのはそれはそれは怖い存在だからです。

だって、ホテルの顔でありお客さんの口に入れるものを管理している総責任者ですよ。

渋い営業部長さんだって料理長には気を使います。

だから、宴会でシェフに料理説明してもらいましょう、なんて気軽に考えないでおきましょう。

料理説明が必要ならフロア担当もプロですからその方にお任せすればよいのです。

でもどうしてもシェフに来てほしいなら、先ほども言ったように入念な打ち合わせ、何をしゃべってほしいのか、いつのタイミングで来てほしいのかをしっかりと決めておきましょう。

お役人

日本の人って『お客様は神様です』が好き。

でも役人と対峙した時、私たちは当然”お客様”ではありません。

役人は、サービス業ではありません。

でも”海外旅行”という魔法がなせる業なのか、出会う人皆サービス業従事者だと思ってしまうのかもしれません。

税関員、入国係官、検疫官、警察官… たてついてはいけない人に果敢に立ち向かっていく人を多く見てきました。

もちろんこちらが不利になる。なるものもならなくなる。

添乗員
添乗員

アメリカに行ってた時に教えてもらった事。

警察官や役人としゃべる時は『Yes, sir』と返事をしなさい。

(女性ならMa’amです)

もし、言葉遣いの違いでそんな態度が変わるのか?と思った人はまず試してみてください。

  • 税関員に『カバンを開けなさい』と言われたら逆らわずに開けましょう。
  • 警察官に『ここで写真を撮ってはいけません』と言われたら速やかにカメラをしまいましょう。
  • 入国係官に『ちょっと別室へ来てください』と言われたら素直について行きましょう。
  • 検疫官に『その登山靴、土ついてあるから洗います』と言われたら洗ってもらいましょう。

以前の記事で、デルタのCAさん怖いと書きましたが、(参照記事:デルタ航空の思い出)彼女たちもサービス業である前に安全を守る乗組員です。

言う事聞かなければ、怒られますし降機させられても文句言えません。

マスクしてないから下ろされたのではなく、乗務員のいう事に従わないから下ろされたのです。

添乗員
添乗員

ちなみに添乗員にも『解除権』と言うものがあります。

使ったことないけど・・・


お仕事するときはお互い尊重しあってお話を進めましょう。

という事で今日の歌は石川秀美で『Hey!ミスターポリスマン』

以上。

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