よもやま話

添乗員の思い出話 人間模様 家族 お客さん family relationship

よもやま話

添乗員の仕事がなぜいるのか?

それは旅行にはトラブルがつきもので、旅程管理をする人を付けないとなかなかうまく旅行が運ばないからです。

逆を言えば、旅行がスムーズに行くと100%決まっていれば添乗員はいらないとも言えます。

だから「トラブルでこんな大変だった」「あんなことが起こるなんて」とさまざまな問題が起こりますが、それは言ってみれば想定内。

ツアーが終わって月日がたてば、全部楽しい思い出に変わり、トラブル体験は武勇伝に変わり、

「あ~そんなこともあったね~」と遠い日を懐かしんでいます。

でも、旅行のトラブルは解決できても人間関係のトラブルを解決するのは至難の業。

だって人間関係のトラブルシュミレーションはしてないもの。

旅行に来れば、親しい友人同士だってケンカします。

そんな人間模様のお話を今回は紹介したいと思います。

夫婦喧嘩①

私がご一緒したお客さんで、一番激しい喧嘩をしたのは新婚旅行でイタリアに来た方々。

ミラノから入る行程で、ものすごく仲が良く「ざ・ハネムーナー」という感じのご夫婦。

年のころは20代後半。ご主人はカメラが大好き、一眼レフを持ってきていました。

旅は終盤、明日は帰るだけというローマの1日は終日フリータイム。

特に大きな問題はなかったらしく、遅い夕食を終え翌日の早朝出発に備え寝ようとしていたまさにその時、フロントから電話が

「お前んとこの客が大変だ、早く降りてこい!」

急いで着替え、ロビーに降りていくとそこには誰もおらずガラーンと静かな空間が。

『あれ、だまされたかな?』と思い、フロントスタッフに「私に電話した?」と聞いてみる。

するとそのスタッフがおもむろに後ろからバキバキに壊れた一眼レフを出してきた。

聞けば、ロビーで大声をあげて喧嘩したと思ったらご主人が大事なカメラをロビーの床に叩きつけて壊したものらしい。

大声で喧嘩してはいけません

やばいと思い、お部屋に駆けつけるとドアの前に部屋にも入らずうなだれたご主人が体操座りしておりました。

「奥さんは?」と声をかけると「ホテルから飛び出ていた」との事。

さぁ大変です。

そこはトラステヴェレ。

ローマの下町でおいしいレストランなどもたくさんある場所ですが、夜中に女性一人で歩く場所ではありません。

急いで、探しに行きましょう!と言いたいとこでしたが、うーん、と考え待つことにしました。

やみくもに探しても見つからないし、冷静になれば「この場所、やばいかも」と気付いてくれると思ったからです。

案の定、十分ほど待つと奥様が帰ってきました。

でも二人が顔を合わせた途端、また興奮状態。

とりあえず、ご主人を部屋にかえし奥様は私の部屋に連れて帰りなだめてすかして時間は深夜3時。

あと2時間ほどで出発のお時間です。

「少しは休んだら?」と声を掛けましたが、「明日の準備があるから」と部屋に帰っていった奥様。

また喧嘩してたらどうしよう、と気が気でなかったのです。

それでも私の部屋がノックされることはなかったので、時間にロビーに降りていくとなかなか二人は降りてきません。

そろそろみんな集合かな、というくらいにようやく二人が現れました。

2人手をつないでラブラブ状態。

驚きでしょう

まだ20代だったあの頃。

夫婦げんかに口を出してもロクな事はないと悟った瞬間でした。

夫婦喧嘩➁

やはりこの旅行もイタリア。

30代後半の落ち着いた二人。コースはやはりミラノINローマOUT。

周りから見ても絶対お見合い旅行だな、とわかるぎこちなさ。

イライラが溜まってきているのは早くもヴェネチアで見て取れました。

フリータイム中に、早めに集合場所にいた私にまずご主人が話しかけてきました。

内容はと言えば「俺だって初めての場所なのになんでもかんでも聞いてくる」というような事。

そうなんです。女性は海外旅行に結構行ってる人が多いのに対して、男性は海外初めてとかいやん旅行以外初めて、という人が多いんですよね。

だから、奥さんの前で格好良く決めたくても決められないのかな、と思い励ましました。

すると、隙を見て今度は奥さんからのご相談。

「自分のものでなくて、ご主人の家族やお世話になった方へのお土産を一所懸命探しているのに全く協力してくれない」というような内容です。

やれやれ、二人で喧嘩されるのも困りますが、添乗員を挟んで冷戦状態もさらに困ります。

ふたりの間に言葉はない

だってどっち側についていいかなんて分かりません。

とりあえず話を聞いておきましょうと耳を傾けていましたが、だんだん私への相談も無くなりました。

それでもお部屋に帰れば、また仲良くなるかもと期待をしていましたがそうでもないようでした。

そしてようやくの帰国日。

あの頃は添乗員が座席割してたんですよね。で悩みました。隣どおしにするべきか離すべきか。

でも新婚旅行だし、と思って短い路線は離れ離れ、長い路線は隣の席にしそのように説明をしました。

何も言われなかったので、良かったのかなと思っていた乗継の空港で奥さんがすごい勢いで私のところにやってきました。

「座席離したっていたじゃないですか?怒」

え~!ダメだったんだ…。席をほかの方に代わってもらい一路名古屋へ。

到着ロビーには双方のご家族の姿が。

深刻な顔で話し合いをされていました。

後にも先にも名古屋離婚を見たのはあれだけでした。(たぶん修復はしていない)

大声で喧嘩する方がいいのかも…

年の差カップル

あれはどこの国だったか50代前半の女性と40代前半の男性。

最初は、雰囲気から新婚旅行とは思えなかったのですが、もらった名簿にはHMと書いてあります。

男性は、弱弱しい感じで声も小さい。

女性の方はと言えば、ぱぁっと花が咲いたように明るいおば様でツアーの他のお客さんとすぐ仲良くなってお話をしているような方。

聞いてみれば、新婚旅行で間違いなかった。

女性の方は2度目か三度目の結婚ですが、男性は初婚。

全然はっきりしゃべらないから、奥様の方からグイグイ行ったのかと思いきや男性の方から口説き落としたとの事。

でも、これを教えてくれたのは奥様の方。

嬉しくてしょうがなかったんですね。

今なら分かる気がする。

羨ましかったって話です。

父と娘

母と娘はよく来ます。母と息子もたまにきます。

でも年頃の娘さんとお父さんの組み合わせは少ないかも。

お父さんから見れば娘はいつまでも子供のまま

たぶんヨーロッパに連れて行ってあげるからと父が誘ったんでしょうね。

そして娘はタダでヨーロッパに行けるなら、と承諾したのでしょう。

娘は初めから父と行動する気ゼロ。

すぐにほかのお客さんと仲良くなって一緒に行動しています。

そうとは知らない父。どこかに行くたびに「娘がいない」と私に言ってきます。

「ほら、あそこにいますよ」と探して教えてあげる毎日でした。

父は、娘が話し相手になってくれないので私にいろいろお話ししてくれるのでした。

最後に言ってたのは、

「この旅行中も全く相手してくれないけど、この旅行に一緒に来てくれた。とても幸せ」

という事でした。

よかったね。

うちの母の話

お客さんなら何とも思わない会話も、身内となるとそうはならない。

なぜ、腹が立つのだろう。

飛行機での会話

優しくなりたい。

という事で今日は井上陽水で「心もよう」

以上。

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