「これ買ってったら税関で捕まるかな?」
お客さんによく聞かれます。
『そんなのこそっと持って帰れば大丈夫ですよ!』
って誰かに言ってほしくて、聞いてくるんだろうけど…
添乗員は絶対そんなこと言いません!言ってはいけません!
正しい答えは
「正直にご申告ください。」
ということで、今回のテーマは、『税関』
輸入禁止品の中にこれがあります
”公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品(わいせつ雑誌、わいせつビデオテープ、わいせつDVDなど)”
昔は、税関で無修正の写真集や雑誌が見つかると、公衆の面前で、マジックペン渡されて、「はい、ここ塗りつぶして」と一か所づつ指定されて自分で塗りつぶしていた。
いまでは、この話は聞かなくなったけど、いまだに禁止されているものには違いないので購入には気を付けてください。
あと、アメリカで言われたのが、年賀状とかによくある生まれた赤ちゃんの写真。たまーに素っ裸の写真ってあるよね。これ”児童ポルノ”って言われた。気を付けて。
詳しくはいつもの税関のWEBサイトで確認してください。
税関と保安検査
お客さんがよく混同するものに、保安検査と税関がある。
安全検査でなにかひっかっかたら、税関で捕まるの?みたいな混同だね。
もちろん関係ありません。
- 保安検査 → 飛行機の安全運航を守るためのもの
- 税関検査 → 産業、経済、保険、衛生、公安及び風俗等に悪影響を及ぼすものから国を守るもの
だから、極端な話、麻薬をもって飛行機には乗れるけど到着した日本の税関では捕まる。(勝新パンツ事件ね。)
ちなみに、保安検査場は国の機関ではありません。(日本は)民間です。航空会社からの依頼で行っています。
ご存知のようにCIQは国の機関ですね。
- C Customs 税関 財務省
- I Immigration 出入国管理 法務省
- Q Quarantine 検疫 厚生労働省および農林水産省
セントレアの係官を見る限りどこの部署の人も親切。質問するといつも丁寧に答えてくれます。
カルネ
音楽関係の団体とかスポーツ関連の団体で海外に行くとき、用具の運搬で問題になるのが、これ。
ATAカルネとは ATA条約(物品の一時輸入のための通関手帳に関する条約)に基づき、職業用具、商品見本、展示会への出品物などの物品を仕事のために外国へ一時的に持ち込む場合、外国の税関で免税扱いの一時輸入通関が手軽にできる通関手帳です。
引用元: ATAカルネとは
言葉ぐらいは知っといた方がいいかもね。
普通の楽器は、「職業用具の一時輸入に関する通関条約」でサイズにもよるけどバイオリンとかは手荷物扱いで持っていく事ができるはずなんだけど、少し前にど高いバイオリンがドイツで差し押さえになったことで対策が取られるようになりました。
なので楽器とかを持ち込み場合はとにかく航空会社に聞いた方がいいね。こないだ搭乗口でバドミントンのラケットは持ち込み禁止って言われて困ってる中国人もいました。
各航空会社のホームページにはだいたいこの件についての説明があるので確認を。
国のルールもあるけど、航空会社のルールもあるから(持ち込みできるかどうか?)よくチェロとか持っての移動は座席2つ分とか言うよね。
ぶっ飛んでるのは、一切の準備をしない営業マン。行き当たりばったりで航空会社に頼んでください!とか言ってくる人。
できません!
ボンド
輸入する貨物を関税・消費税等納税(徴収)を保留すること、外国貨物のままの状態にしておくことをBond(保税)という。
引用元 : 貿易用語集 | らくらく貿易
では、添乗員がこの制度を使うときはどんな時か?実際のあった話です。
ある国へ、大きな団体があるので、スタッフジャンパーを準備して段ボール3箱ぐらいかな、持って行ったとき。
税関で捕まりました。商品だと間違えられて。
一生懸命使用目的とツアーが終わったあと、持って帰ることを説明しましたがダメ。関税を払わなくてはいけない事態になりました。しかし、当然そんな予算はないので支払えない。そこで必殺の一言!
ボンドでお願いします。
空港で保管してもらって、帰国時に持って帰ることにしました。幸いにも事前準備での訪問だったので持って帰って本番時に添乗員で手分けして持ってゆくという選択肢がまだ残ってたからね。
でも、ボンド処理したからお金かからないと思って安心してた、保管料とられた。結局金払った。残念。
体験談
その1
ドイツ経由でトルコに行った時の話。そういう時に限って飛行機がいうまく取れずに、FRA→MUC→ISTとなりました。つまり、FRAで一回ドイツに入国です。その時にとあるお客さんタバコ2カートン持ってて捕まっちゃったんだよね。
添乗員の出番でしょう!
まずは係員のゆうことをよーく聞いて、理解したことを示します。そのあと、おもむろに航空券を見せて『私たちはトルコが目的地でドイツには乗継入国だけ』だと申告。どうにか課税は免れました。ルール的には払わなくちゃいけないんだけどね。だってドイツのちょっと入国した間にこのタバコだれかにあげちゃったらダメでしょ?
でも言ってみることは大切。
その2
税関と言えば、アメリカも厳しい。
必ず、事前注意もしますが、一緒にツアーに行っていれば、という条件が付きます。
イベントがらみだと、現地受けも発生しますよね。
それで、捕まったことがあるのが、小麦粉。白い粉です。持ち込み自体に問題はないんだけど(申告すれば)この時の問題は、そのお客さんの態度。税関員に食って掛かっちゃったらしいんだよね。(後で中の様子を聞いたら)パスポートを見せなさい!って言われたら投げて見せた。その後もなんでこんなことになるんだ!と怒鳴った。などなど
旅行会社も頑張りました。(いろいろな行事があったのでどうしても入国してきてくれないと困る)
結局パスポート税関預かりで、ホテル以外の外出不可。その用事が終わったらすぐ日本へ帰れ!という処置になりました。厳しいね。
帰国日前日に、パスポート返却の知らせを受けて取りに行きましたが、その時にはお客さんにこのように頼みました。
- 税関員が、何か言ったら必ず ”Sir” を付けること。イエス、サー サンキュー、サー
- 絶対に怒ったりせず、反省の色を見せること。
最終日にはお土産など買いに外出することが許されてよかったけど、たぶん次回の入国時に引っかかってるはず。怖いね。
添乗員としてやってはいけないこと!
お客さんの荷物を預かること
厳禁です。
あとは、添乗員の基本業務。訪問国の持ち込み制限、持ち込み免税範囲を調べる!(当たり前だけど)
シンガポールはたばこ1本から課税。電子タバコは持ち込み不可。
つい先日、シンガポールでお客さん捕まっちゃいました。
通常ノーチェックのシンガポールの空港なんですが、お客さんには事前にルールを別紙で配るほど注意喚起はしていました。
なのでたぶん添乗員の私が、あんなことになるなんて一番思ってなかったかもしれません。
税関で、指差しで荷物をX線に通しなさい!と言われ、電子タバコが見つかり没収。ついでにタバコも見つかり税金払ってきました。とほほ
そのほかの国でも、独自ルールはあるからね。特にアジアの国は電子タバコ認めてないところ多いです。必ず確認。
以上。
コメント