観光施設をまるまる一つ、ガイディング資料作りました。で、思う事。
先日のインバウンド研修はまだ続きがありまして、次回が実地研修です。
行った事もない場所の資料だけを受け取り、ガイド資料を作ってこいとのお達し。
研修に行かせてもらったのか、都合よくガイド資料を無料で作らされているのか分からない状況になっています。
ま、でも乗りかかった舟ですから最後まで頑張りましょう。
資料作成
日本人向けに書かれたガイドをそのまま訳してはいけません。
これは、逆の立場でいつもやっていることですね。
英語のガイドさんの時、日本人観光客に慣れてるガイドさんなら問題ないと思うけど、普段欧米人向けにガイドしている人のガイディングを直訳してもいまいちピンときませんよね。
(それは、私がキリスト教徒でないし欧米の歴史を知らないから、という面もある。)
あと、現地発の英語のツアーに参加したらいまいちよく分からなかった、という声もよく聞きます。
英語のツアーに参加するぐらいだから英語はできる。でも何となくわかったような分からないような。
観光の時の英語ってちょっと独特ですよね。
トルコでガイドさんに聞いた話。
アメリカ人を案内してた時、みなすごく熱心に聞いていた。
案内が終わり、「質問がある人?」と聞くと
「とても興味深く面白い話だった。ところでイエスって誰?」
外国人観光客への説明で、三英傑の話をしてもぜんぜん伝わりません。
(日本の歴史上の人物の中で一番有名なのは忍者とサムライです。だからショーグンは侍や忍者のボスとする)
歴史を話すときの定規も違います。(日本には日本独自の建築様式があるので「この建物はルネッサンス様式です」と言えば時代背景が分かってしまうような便利なものはありません。)
だから300年前、とか説明するしかないですよね。Edo periodって言われても何の事?だわな。
それらを踏まえて、私が担当になったのは「味噌の醸造」です。
日本語でもそもそも説明できないから、図書館へ行って味噌の本を借りてくるところから始めました。(もちろん子供向け図書)
そして、麹とかの英語を調べる途中で見つけたとても素敵なサイト 麹と発酵についてとても分かりやすく書いてありました。すごいね、こういうのが書ける人。
この様なものを見ながら、私は言葉ばかりで説明するのを諦めイラストを描いて見た目で分かるようなものを作りました。
本当の通訳ガイドさんもよくスケッチブックとか使って説明していますが、絵って分かりやすいよね。
そもそも日本にとっても興味のある人から全然興味のない人まで知識の差がものすごくあるわけだから、イラストがいいと思います、ご案内は。
施設さんの言いたいこと vs 観光客が聞きたいこと
知り合いのロシア人は、日本に来て驚いたことの一つに「1日に3回みそ汁を飲むこと」だったそうな。
一日に2回なら理解するけど3回だとは思ってもみなかった、と言っていた。(ロシアでは朝スープは飲まない)
たぶん味噌蔵にくる観光客は、味噌の作り方もいいけど、なんでそんなにみそ汁ばっかり飲むんだ?という事の方が興味があると思う。
納豆食べて口の中がネバネバしてたらみそ汁飲むといいよ、とか。(納豆食べないか…)
急に思い出しましたが、岡崎のまるや八丁味噌はコーシャ認証を受けてます。最近増えているベジタリアンの方にも安心して食べてもらえます。イスラムの人には添加物をチェックしてアルコールの添加がないことを確認したいです。
施設さんは「うちはこんなにこだわって商品を作ってるんだ!」ってことが言いたいんだと思うのですが、お客さんは「味噌って何?」と思っているところに大きな溝がありますね。
「木の樽で時間をかけて作るとこんなにおいしくなる!」と力説しても「ワインと同じ考え方ね」みたいなもんでしょ。
あと、マエストロにはリスペクトがあるからね。どこかで登場してもらうとしましょう。
外国人旅行者に優しい国ランキング(Affinity for Travel & Tourism)
けっこう前のランキングですが、日本はなんと140ヵ国中77位。(世界経済フォーラムHPから)
半分より下。残念。でもそうだろうな、とも思います。
外国に遊びに行ったら親切にしてもらいたいと強く思うわが民族は、他者は来ないでほしいと本当に思っているらしい。
京都が訪日客でバスにも乗れないとニュースになってても、ハワイのthebusに学生を団体で乗せて移動させようと企む旅行社がいる。
ハワイの人は、「そこは聖地だから入らないで」と言っても「日本人来ないで」とは言わない。
もう少しだけ外国人に優しくしてあげたいなぁ。ちょっとずつでいいから。
次のランキング発表の時は、もう少し順位を上げたいもんですね。
という事で、今日の歌は「FUNK FUJIYAMA」米米CLUB
以上。
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