税関の逆走 旅行客にあまり認識されてないかもしれませんが、どこの国でも一度出たら戻れません。しっかりルールを把握しておきましょう。
先日も私、やらかしてしまいました。(いつも人に「忘れ物するな」って言ってるのにね)
ターンテーブルに荷物が回ってくるまでの間、トイレを済ましておきましょうとトイレに行き、その後荷物をピックアップして税関審査を抜けてさぁ電話しましょう!と思ったら

スマホがない‥‥
またこういう時って焦ってるから(そして一人だった)「あのトイレに違いない!」って思いこんじゃったんですね~。
税関の扉は基本出る人側からしか開かない。つまり戻れない。
インフォメーションへ行き事情を話し係員を呼んでもらう。→ 中へ連れてってもらう。
ところが!

スマホが見つからない・・・
自分が通った道をくまなく探すがないものはない!
そんなはずはない。確かにここでスマホを触ったはず、と思いながらどうしたものかと考えあぐねていると

自分の荷物をもう一回よく見てみて!

・・・ あった・・・

大変ご迷惑をおかけしました。
制限エリア内に忘れ物をした時の基本動作を確認しましょう
- インフォメーションや壁にある電話などで中にコンタクトをとる
- 係員に迎えに来てもらう
- 基本は、係員と常に一緒に行動しながら忘れ物を探す
とはいえ、団体を連れていると自分が中に入っていかなくてはいけない事態も起こったりします。
なぜ 税関の逆走 ができないのか?
日本や米国・アジア・オセアニアなどの厳しい税関審査がある国なら逆走ができないのも分かりますが、意外とゆるゆるのヨーロッパ国内線でも逆走禁止です。
制限エリアとはどういう意味ですか?
制限エリアは、国際線、国内線の保安検査を通過した先のエリアとなります。このエリアには、飛行機に乗る旅客の方、職員等限られた一部の人しか入ることができません。
基本的には、保安検査を通過した航空機に乗る前の待合エリア及び、到着ゲートから到着ロビーにでるところまでのことを指します。
セントレアのHPより抜粋
空港の保安上の理由やその他の理由で「出国手続き完了後は公共エリアには戻せない」といった規則が各空港にあるので一度出たら戻れないという事になります。
《逆戻りできない理由》
安全や入出国管理、保安・防疫、荷物管理などを確保するためのルール
とにかく 税関の逆走は禁止されている、と覚えておきましょう!

どこの空港もシンガポールのチャンギみたいにガラスの壁にしてしまえばいいのに
個人的に経験した 税関の逆走 の一例
とはいえ、添乗員たるもの何かが起こった時にできることはしなくてはいけません。
上記に述べたような理由があるにせよ、それでも逆走を願い出ることもしばしばです。
カナダの税関で学生が捕まった(やんちゃそうな外見だったから?)
→ 税関係員に「彼らは学生だから助けが必要」といい手続きを経て入管別室まで助けに行った。学生であり学校の行事で来ていることを説明し開放してもらった。
マニラの空港(そんなに広くない)のにお客さんがいなくなった
→ 入国係官に「私の客がどこにもいない」と言って自分のパスポートを預け探しに行く。見つけた。
ベルリンの空港で一緒に添乗してた営業マンが「スーツケース出てこなかったよ~」と笑顔で出てきた。
(口には出せないが、心の中で「アホかぁ~!」と叫ぶ)
→ パスポートを税関員に預け中に入らせてもらう。ターンテーブル上に回ってたんですけど…
台北の空港で外国籍のお客さんが入国拒否。さまよってるとの情報を受けて探しに出る
→ 入国係官に事情を話しパスポートを預け探す。まさに彷徨ってるPAXを見つけ帰国のために手続きを手伝う
バリ島の空港で残存足りずに入国できなてないお客さんがいるとの情報で助けに入る
→ 税関員にパスポートを預け助けに入る。多くは語れないがとにかく入国させた。

ちなみにホノルルの空港は、スーツケース忘れてきても絶対に税関の中へは入れてくれません。
ロストした荷物を引き取りに行く際も基本同じですね。
山のような荷物から見つけ出すのは至難の業ですが、添乗員は日本人のスーツケースをすぐ見分けられる。
なので「中に入らせてくれ!」と言ったりする。
逆走しなくてはいけないシチュエーションになった時
- 責任者がいるっぽいところかそれっぽい人を探す
- 添乗員であることを告げ、今起こってる事態を説明する
- 私が助けに行かねばならないと強調する
- PAXをつれて戻ってきた時はどこに行けばよいか聞く
- パスポートなど人質を置いてゆく
- 問題が解決しなくても「終わった」ことを伝える
どこの空港でも通じるかと言われれば、「そんなことは分からない」というしかないが、困った事態があるなら行ってみる価値はあると思います。
外国に忘れ物をしたら郵送できるか?
ところで私、5月には台湾へ遊びに行き、帰りにあろうことか財布を落としてきてしまいました。←私の職業添乗員
自宅に帰り鍵を取り出そうとしたら財布がない(財布の中に家の鍵を入れている)
どんなに探しても見当たらない・・・最後に財布を出したのは・・・ もう台湾しかない。
国際電話で宿泊したホテルに確認

●●号室に泊まったトシコです。財布の忘れ物はありませんでしたか?

お部屋にはありませんでしたが、エレベーターの中に落ちてましたよ!

さて、問題はここから。どうやって返してもらうか?
〈財布に入っていたもの〉
・マンションの鍵なので電池が内蔵されてるタイプ
・現金
・クレジットカード
・ポイントカードなど
はい、お気づきですね。この財布は
郵送できません!
もちろん着払いのサービスなんてハードルが高いから、善意のホテルの人には頼めません!
結局、すぐに台北に行く同僚がいたのでもらってきてもらいました。(一般の人への参考にならない方法ですみません)
もし、旅行会社を使っていれば有料ですが忘れ物を取りに行って発送してくれることでしょう。有料です。
ちなみに募集ツアーでは、忘れ物や落とし物を探すという行為だけでも有料です。

つまり見つからなかったとしても払わなくてはいけません。
忘れ物捜索の際は、捜索に掛かる通信費などの諸経費を捜索手数料としていただいております。
また回収に際して別途費用がかかる場合があります。
なお捜索物を発送する際に掛かる送料・梱包代金・保険料・関税などは別途お客様のご負担とさせていただいております。
捜索手数料
一律11,000円(消費税込み)
(ご注意)
・ご利用ホテルによっては捜索をお受けできない場合および捜索手数料が異なる場合があります。
・搬送上におけるトラブル等の責任は負いかねます。予めご了承ください。
・捜索開始後は捜索物が見つからなかった場合でも、捜索手数料の返金はできかねます。
・国によっては、電池は国際便で郵送ができません。
・電子機器類の送付の場合は電池を抜いた状態で発送となります。
・国によっては、電池内蔵型の電子機器については発送が一切できませんので予めご了承くださいませ。
・国によっては、貴金属類は発送できない可能性があります。
HISのHPより抜粋
別送品申告書の提出を忘れずに
いろいろな条件はあるものの、送ることはできる!となった場合。(例えばカバンとか財布とかは送れる)
帰国前に気づいて送る手配を整えたのであれば、日本の税関で別送品申告書2枚作成し提出をしておかなければなりません。
この提出は帰国時でないとダメ →税関のチラシ
別送品の申告をしなかった場合や確認印を受けた申込書を紛失された場合は、一般の貿易貨物と同様の輸入手続が必要となります
税関のHPより引用

自分の所有物であっても課税対象にされちゃうということです
忘れ物にはできるだけ早く気付いた方がいいですね。
忘れ物をしない!なんてことはできない。(現に私も良く忘れてるし落としてる)
だから早く気付くことが大切です。指さし確認を励行しましょう。
忘れ物落とし物した時のコンタクト先
ホテル → 電話するのが一番早い。 でも言葉とかが不安ならホテルの公式ホームページにコンタクト先が乗ってるのでメールする。
空港や駅 → これも公式HPにアクセスして「Lost & Found」を見つけてコンタクトする。
旅行会社を利用 → 旅行会社に連絡

万が一のことを考えると、ある程度のグレードのホテルに泊まったほうがその後の対応もいいよね
帰国するとすっかり安心して別送品申告書の提出を忘れてしまいがち。
最後までしっかりご案内をしましょう。
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