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閑話

添乗員が怒られるとき 怒られる情景 アンガーマネージメント anger management

閑話

添乗員は基本怒られる職業です。

怒られ慣れている。

慣れてるからといって平気なわけではありません。

怒られるのは、かなり心が消耗します。

それが長期間続けば、必ず病むと思います。

添乗員
添乗員

コールセンターに行ってる添乗員から

『こんなん続けてたら病むわ…』という話は聞くが

誰それが病んだという話はまだ聞いたことがない。

過去に添乗員の会社が行う研修にアンガーマネジメントが選ばれた年もありました。

もちろん、添乗員自身の怒りをコントロールするためではなく、怒ってるお客んさんの心理を理解するという目的です。

お客さんが怒る時

旅行中は、このお客さんはなぜ起こってるんだろう?なんて考えなくても怒っている理由が分かることが多いです。

  • 催行会社が手配ミスをした
  • 運送機関や宿泊機関がサービスを停止をした
  • 天候や渋滞などどうしようもない事
  • 添乗員が業務を怠った
  • 添乗員を人として許せない時
  • 外国で言葉が通じずにイライラした時
  • 単なる勘違い・思い違いで怒られる

理由がはっきりしてる。

自分の犯した間違いなら、思いっきり謝ることができる。

理不尽なのは、自分のミスでないときにも怒られることが多いという事。

添乗員
添乗員

コンパニオンに部屋で財布を盗まれた、と大騒ぎして

夜中に呼びつけられ正座させられて怒られたことがありました。

実際は、酔っぱらって「全部もってけ!」と言ってたらしい。

つまり盗まれたわけではなく、自分があげただけだった。

お詫びの言葉はもちろんなかった。

添乗員
添乗員

私の後輩は、ごみ拾いボランティアの添乗に行ったら

思いのほかゴミが落ちてなくて

「ゴミが落ちてない」と怒られたそうです。

良い事だと思うんだけどね。

怒られるのは私たちの様な雇われ添乗員だけではありません。

どんなに偉いさんでも怒られるのです。

添乗員
添乗員

実際に、旅行会社のかなり偉い人が

若いお客さんに怒鳴られまくっていたのを見たことがある。

なんで怒られてたかは全く覚えてないので大した理由ではなかったと思うんだけど、

怒られていた姿は目に焼き付きている。

だからね、怒られたことの無い人は旅行会社に就職しない方がいいかもね。

百歩譲って、誰かのミスなら代わりに謝ってあげよう。

でもね、渋滞とか天気、暑い寒いが違ってたと言ってお小言をもらうのは、どうしようもないね。

添乗員
添乗員

大渋滞にはまった時、

「渋滞なんで仕方ないですね」と言ったら

「添乗員が”仕方ない”なんて言葉を使うな!」

とキレられた事がありました。

いまだに解決案が分からない。

2月のイタリアで突然暑かった日、「こんなに暑いと思わなかった」と言われても私も思わなかったよ…

紅葉のツアーで紅葉してなくても、スイスのツアーで悪天候だったとしても、オーロラが見えなくても、青の洞窟に入れなくても、ハワイで寒い日にあたっても、添乗員のせいではないと思う。

でも、なんか申し訳ない気持ちでいっぱいにはなるから、「なんかすみません」と言う。

あと、親切で良かれと思ってやってあげたことにも文句を言われる。

添乗員
添乗員

これは、韓国のガイドさんが言ってたんだけど、自分で調べてきた店を

「予約してほしい」と頼まれたので、電話してあげたら帰国日に

「あそこはあまりおいしくなかったわよ」と文句を言われたらしい。

関係ないけどガイドさんが謝れば気が済んだのかな…

いまだ解決案が分からない。

怒られてもめげない方法

忘れる。

たぶん自衛本能が働いているんでしょう。

おおかたの事は忘れている、実際。

でも、もちろん覚えていることもあります。

それはネタになる話。「こんなことで怒られちゃったよ~」と笑える話。

忘れてなくても忘れた振りをしなくてはいけない事もあります。

添乗員
添乗員

あれは、ラスベガスに到着した一日目の夜。

いろいろなミスがあってホテルのロビーで30分ぐらい怒鳴られまくった後

「このツアー中、二度と俺の前に顔見せるなよ!」

と団の偉い人にすごまれた時。

30分後には、見せてはいけないはずの顔を見せてしれっと

「はい、タクシーはコチラで~す」

と、ご案内をしていました。

こうやって振り返ってみると、よく怒られていますね、私。

添乗員
添乗員

そういえば、お茶をコップに注いで怒られたこともありました。(台湾では普通の事)

夜のオネエさんの金額が高い、と怒られたこともありました。(そんなことは知らん)

とあるツアーに私を指名してくれた営業マンがいて、「なんで指名してくれたの?」と聞いたら

「お前なら怒れる。ベテランさんだと怒れんだろう?」と言われたことがった。

若かりし頃…

怒られない方法

特にない。

怒られる人を作るために添乗員を付ける場合もある。

添乗員
添乗員

だいぶ昔のワールドカップ。

チケットとれてなかった事件。

TCなしのはずのツアーに急きょTCが手配された。

何歳になってもベテランになってもひとたび問題が起これば怒られることでしょう。

後輩にもこればっかりは、「経験を積めば怒られなくなるよ」と言ってあげられない。

怒られた後、飲みにでも連れてってあげて話を聞いてあげることぐらいしかできない。

そして、その話はやがてネタ話として昇華していく事でしょう。

めでたし、めでたし。


という事で今日の曲はこれにしよ。

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