閑話

ラマダーン、ムバラク!

閑話

昨日(4月23日日没)から断食月が始まりました。

ツアーに出掛ける前、その国の祝日やお祭りは必ず調べなければなりません。

特に、中華圏やイスラム圏はカレンダーが違うので要注意です。

今回のテーマは、『ラマダン』


ラマダンとは、イスラム歴の9月。この月の名前をラマダーンと言います。太陽暦ではありませんので、毎年、早まっていきます。ちなみにイスラムでは一日の始まりは日没からです。

英語だとセプテンバー。英語の月の名前の由来は数字からだっていうのは、知ってるよね?そこにジュリアスシーザー(7月生)とアウグストゥス(8月生)をその名前をとって入れたので、7を意味するSEPTEMBERが、9月になりました。フランスにも昔、改革暦がありました。Vendémiaire ヴァンデミエール(葡萄月)は有名だね。

太陽の出ている時間は、飲食が禁止です。水も飲んではダメ。つばも飲んではダメです。(唾なんて飲んでるって意識がないよね)そのほかにも

  • 悪口を言ってはだダメ
  • 喫煙、性行為もダメ
  • 良い人でいるように努めなくてはダメ

など、いろいろダメなことが決められています。そんなのコーランのどこにも書いてないじゃん?という人がいますが、実はコーランには、具体的な事は何も書いていません。阿刀田高先生の本の言葉を借りれば、『親父の説教』がかかれています。では、何を見るかというとハディースという副読本みたいなのが、あるんですね。これにお祈りの仕方とか、断食の仕方など様々なことが書かれていいます。その中には、断食をしなくていい時も書かれています。それは、

  • 生理の時
  • 妊娠中の時、赤ちゃんを持つ母親
  • 旅行中
  • 病気の時
  • 戦闘中の男

しかも、旅行とは確か70Km以上離れた場合、などかなり細かく指定されています。そして、上記のラマダンをしてはいけない人が、その状況下でなくなったときに自分でラマダンをしなくてはいけません。ラマダンできなかった日数×3!

イスラムとは、アッラーの神と自分との契約

『あ、あの人ラマダン中なのに断食してないじゃん・・』『お祈り5回しないよね・・』よくお客さんがガイドさんを見ながらこのような発言をします。そして、冗談交じりに『本物のムスリムじゃないんじゃない?』なんてことを言ったりもします。

ダメです。そんなこと言わないでください。

その人が、何をもって信仰とするかは、その人が決めます。ラマダンも周りの人がしてるんだからあなたもやりなさい、と強制することはできません。自分で決めます。だから、アルコールを飲んでる人がいたとしてもそれはあなたには関係ありません。

第一、異教徒にとやかく言われたくありません。あるがままを受け入れてください。

何のための断食ですか?

断食は、イスラムの5行の一つなので行わなくてはいけない行為です。だからやります。

宗教を語るときに重要な事

疑問も持たない。だって神様が決めたことなんだから。

イタリア人ガイドさんに、「(いおいろ説明の後)って言うことは、マリアってユダヤ教徒?」と無邪気に聞いたことがあります。その答えは「Fantasy.」でした。

とはいえ、私日本人ですから、気になります。いろいろ調べて一番しっくりきた説明はこれでした。

飢えや貧困に苦しむ人たちに思いを馳せる。

今の世の中で、(食べることに関して)我慢をすることってあまりないですよね。日本では、食べてはいけないものもないし。本来、キリスト教にも断食月はありましたし、金曜日は魚の日とかもありました。

日本では、断食って言うと修行とか何かの抗議のためにっていうイメージかもしれませんが、イスラム教徒にとっての断食月はお祭りです。自分を浄化するために上に書いたように、人の悪口も避け、貧しい人に施しをして、良い人間になれるよう努力し、いろんな人々が集い意識を高くするというものです。

ラマダーン明けのお祭りはものすごく盛り上がります。新しい服を買って、自分より下の人にはお年玉のようなものをあげて、子供たちはいっぱいのお菓子に囲まれて…

断食が始まる時間

よく日の出から日の入りまで、と説明されていますが、厳密にはもうちょっと早くから始まります。ということで、APPで確認するかその土地のモスクのラマダーンタイムテーブルで確認します。例えば、名古屋モスクのものはこれです。

例えば、今日なら3:37に断食開始なので、3時前には起きてナツメヤシやフルーツ、ごはん、水、コーラなどたらふく食べてからお祈りして寝る、というスケジュールになります。イフタールというのが、断食明けのご飯になるので約15時間、飲まず食わずで過ごさなくてはいけません。名古屋とか岐阜の表記があるように、日の入りなどの時間は土地によって違うのでその土地のタイムテーブルを見なくてはいいけません。

Q:白夜の国ではどうしますか?

A:近くの白夜でない場所のタイムテーブルに合わせます。

名古屋でも6月の一番日が長い時には18時間くらいラマダンをしなくてはいけません。でも上で説明したように、食べれる時間にものすごい食べますから太ります。食べてすぐ寝るしね。実は、お腹いっぱい食べてはいけないという教えもあるんだけど、難しいね。

そして、ラマダン明けが難しい。最後の日に ”お月様が確認出来たら” ラマダン明けです。なので、翌日がイードなのかどうなのか前日にならないと分かりません。日本の場合、雨が多いのでマレーシアに準じてると聞いたことがあります。

なので、いつラマダン明けのお祭り(イード)なの?と聞いても誰も分かりません。(あ、神様は知っています。)

ということで、外出ができないいま、いろいろな事が試せます。

一度断食をしてみてはいかが?

(添乗員は、一日中食事ができないという状況に慣れてるので意外と1日目は楽にクリアできると思います。日が経つにつれ苦しくなってきますから頑張ってみてください)

以上。

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