添乗員の仕事

海外添乗員向け Be quick, but don’t hurry. お客様を急がせないために

添乗員の仕事

できれば言わないで済ましたい。
『急いでください!』なんて。

だって、高い旅行代金払って長いお休みとってせっかくツアーにやってきたのに、

「このツアーは行程盛りだくさんだから、時間がない。急いで行きましょう!」なんて言われたら

初日から気分が下がってしまいます。

時間の感じ方は人それぞれ。

もし盛沢山ツアーであっても、できるだけ満喫してもらえるように「急がせない」

慌てず急いで

これ、添乗員になると初めに習います。

言いたくないワード「急いで!「」ですが、空港や駅などで時間が迫ってるときはどうしても急がなくてはいけません。

そんな時、慌ててしまうと忘れ物したり、違う道行ってしまったり、逆に時間がかかってしまう事がよくあります。

なので慌てずに、冷静に、できる部分で頑張ってもらう。

例えば、飛行機の乗り継ぎで時間がギリギリなとき。職員からも「急いでください!」と到着ゲートで言われた時。

乗継だからセキュリティ検査もあるし、ターミナル移動もある。

道案内も必要だからね。ある程度まではいっしょにいきますが、あとは直線、ゲート番号目指して来て!というときはその説明をして添乗員は猛ダッシュしてゲートに向かいます。

もちろん急ぐことができないお客さんがいたらカートの手配もします。(カートがいればラッキー)

先にゲートについて「私のグループ到着した。いまみんな向かってるからあと5分待って」と伝えます。

もちろん最初の飛行機から乗継情報はいってると思うけど、人影も見えない、いつ来るか分からないお客さんを待つには限界があります。

だから添乗員は先に行って状況をお知らせするのはとても大切。(なにより添乗員自身が「乗れる」確証がほしい)

もし逆に「まだ大丈夫」と言われれば逆走して「ゆっくり来ても大丈夫」と伝えることもできます。

添乗員
添乗員

添乗員でも走り切れないような大きな空港(例えばアメリカ)では、

だいぶ手前から「We’re coming!」と叫んだこともあります。

(大きな声を出すのは良くないことだけど、気持ちは通じた)

ドイツの空港では、「よかったわね、もう少しで出発だったのよ。コレ逃したら明日だったわよ」と言われたこともある。

逆に、アブダビではむちゃくちゃ頑張ってセキュリティも融通聞いてもらってゲートに着いたら同じ便からの乗り継ぎ客のなかで一番に着いた。

私達グループだったのに。セキュリティ検査の事はコチラから

ま、もちろん難しいかもと思いながら走って行ってセキュリティの係に「もう無理だよ」と言われながらそれでも走って行って、

ホントに無理だったという事もあります。

頑張ったから乗れると言うものでもない。

No Rush!

添乗員の仕事は「旅程の管理」ですから、いつもと時計とにらめっこ。

今日の行程は、どこの観光場所、食事箇所も時間オーバーは許されないな、という日もあります。

今は、運転手さんの労働時間の問題もあって時間延長は難しい。(というかできない)

でもだからと言って、もし朝から添乗員が「今日は時間がギリギリです。絶対に遅刻しないように!」なんて言ったらお客さんどう思いますか?

そんなこと言われたら楽しめないですよね。

この状態は、反対に言えば「時間通りに進めば回れる」という事ですから必要以上にプレッシャーをかける必要なんてないです。

お客さんを信じて集合時間を案内して待ちましょう。

たぶん、ツアーの初日にあいさつの中で「このツアーは●●人のグループです。時間厳守でお願いします。」って言ってるしね。

ただでさえ、たっぷりとは言えない滞在時間なんだからそれをさらに急かすようなことはやめましょう。

添乗員
添乗員

でもね、添乗員も人間だからね。言っちゃうよね。

学生のツアーでイタリアに行った時、みんなご飯を食べるのがとてもゆっくりで…

小食なわけではない。おいしく楽しくゆっくり食べてるのね。

でも滞在できるのは1時間。運転手の終わり時間が迫ってくる。

「そろそろ食べ終わってくださ~い!」と言われてもすぐ食べ終われるものでもない。

素早く、しかし急ぐな

慌てず急いで!の反対の言葉ですね。

ツアー中の時間は限られています。だから時間を有意義に過ごしてもらうには街について歩き出す前のバスの中の予習がとても大切だと思います。

特に春の学生ツアー。ほとんどの観光箇所が自由見学の場合。

ガイドさんもついてない。添乗員は案内できない。(ライセンスがない)

時間内に自分たちで見るべきものはみて、買うべきものは買って、食べるべきものは食べて帰ってきてもらわなくてはいけません。

学生たちなら自分たちで下調べしてきてるとは思いますが、机上と現実は大きく違います。

もちろん走ってはいけません!などのマナーも教えますが、効率よく素早く入場券を買う方法などお話ししておくべきことはたくさんありますね。

ブティックでの買い物にすごく時間がかかるとか、レストランでしっかり食べたら1時間では出てこられないとか…。

若いだけに好奇心旺盛。体力もある。あれもこれも全部やりたい!と意気揚々とやってくる子たちに、全部やらせてあげたい。(気持ちは)

だから添乗員さん達も頑張る。バス内で一生懸命しゃべる。

一所懸命しゃべってるからと言って、お客さんがバスの中で起きて聞いててくれるわけではない。



という事で、今日の曲は「you can’t hurry love」はどうでしょう?

以上。

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